オイラが職場で孤立するようになったのは、どうしても反りの合わない先輩から非難の矢面に立たされることになってしまったからなのである。
彼は部署内では誰よりも古株で、トップの課長や定年前の係長でさえも、頭が上がらないでいる。
後輩たちは皆、尻尾を振ってご機嫌を伺う。
どうやら、経営陣に何かしらのコネがあるらしい。
まさに怖いものなしの進撃の巨人なのである。
進撃の巨人は仕事をしない。
パソコンのネットやゲームで忙しい。
進撃の巨人はよく寝る。
この時ばかりは、ホッと息をつける。
進撃の巨人はよくしゃべる。
大きく声を張り上げているわりにはくだらない。
そんな巨人の大好物は陰口、悪口なのである。
3年以上も前からその矛先はオイラに向けられている。
2年程前からは会話することもなくなり、ここ1年は挨拶すらしなくなった。
巨人の取り巻きたちからも腫れもの扱いされ、忘年会などの飲み会にも呼ばれることはない。
誰とも話すことなく、一日が終わることも度々だ。
それはそれで受け入れてはいる。
皆を習って、大人の対応でやり過ごせばよかったのだろうが、幾度となく聞かされる自慢話や、幼稚なヨタ話に愛想笑いが出来ないでいたのだ。
進撃の巨人を駆逐するなんてことは、漫画の話だ。
今後、失脚することもないだろう。
この先、希望に満ちた会社人生ではなくなり、理想や期待も手放した。
地味で、暗くて、向上心も、協調性も、個性も、存在感も、華もない、パッとしない。
オイラはあまちゃんなのである。。。
