そこにとても切なくでも、どこか暖かいフレーズがありました。
主人公のカップルがギリシャで友人たちと
朝食を食べるシーンで、愛について話し合っている時に、最後に未亡人の年配の女性が話すんです。
夫を亡くして、一番恋しいのは夜に隣で寝ている姿だと。
腕を私の上に横たえて重くて息苦しい夜もあったけれど、とても安心でき、満たされていた。彼が道を歩く時に吹く口笛が恋しくなる。そして、いつも何かをする度に、こんな時彼は何と言うだろうと考えてしまう。その日がとても寒い日だったらきっと、スカーフを巻かないとね、というだろうと。
けれど最近は彼との些細なことを忘れて行く。消えていくような感覚で彼を忘れていっていて、それはまるで、
再び彼を失ってしまうよう。
だから、時々彼の顔を、目の色を、肌のキメを、歯を唇をとても細部まで思い出すようにする。
そうやって彼は私の前に現れたり、消えたりする。まるで日の出と日没のように。人は現れ、消えていく。どんなに私たちが誰かにとってとても大切な存在であっても、それでもただ通り過ぎて行く。
この女性のスピーチがなぜかとても印象的で、頭に残りました。
