PM 12:35
横浜駅近く某ホテル




『なぁ、奈々美。恋と愛の違い、なんだと思う?』

ベットに座り、煙草を吸いながら
彼は私に質問した。



『...愛は責任が生じるんじゃないかな...』





『俺が思うに、恋は落ちるもの。愛は育むもの。』




『...じゃあ、私たちはどっちなのかな...』



『さーね。どっちでもないんじゃねーの?俺らは俺ら(笑)』


そう言って、煙草を吸っていない手で
私の頭をポンポンとしながら
ウキャキャとはにかむ彼。



佐藤直紀。
36歳、既婚。
某食品メーカーの営業部主任。
来年の春にはこどもが産まれる予定。


彼の笑顔を見るたびに
奥さんとお腹の子どもへの罪悪感と
この関係を崩したくない気持ち
いつか私を捨ててどこか遠くへ行ってしまうんじゃないかって
色んな感情が混ざり合い
私はまた孤独と隣り合わせになる。



彼は目の前にいるのに...







『奈々美ごめん。分かってると思うけど、今日の夜は会えないから』




『...うん。月曜日だもんね...』



月曜日の夜、彼は必ず家庭を優先する。
理由は私にもよく分からない。
だからこうやって、お昼休憩のときに
私たちは愛し合っている。




時間は少ないけど
私にとって唯一の幸せの時間だから
ワガママは言えない....