”まさか”が現実となった舞台はアフリカ
老いたモハメド・アリが若き無敗の王者フォアマンを
倒した。ボクシングの「キンシャサの奇跡」である。
アリの勝利に熱狂する場面が街頭テレビに流れる。
黒人差別と闘い、ベトナム戦争の徴兵を拒んで
王座をはく奪されたアリ。
ふてぶてしいまでの強気の言動に眉をひそめる人もいたが、
彼のそうした態度は常に、自分よりも強い存在に向けられた。
権力を恐れない、権威に卑屈にならない。
だから弱いもの、虐げられた者ほど、アリを英雄と慕った。
アリの名言に「人間が困難に立ち向かう時、
恐れを抱くのは信頼が欠如しているからだ。
私は私自身を信じる。」
この言葉は、今、戦う全ての人の胸に、
拳のように突き刺さる。