カモノハシガエル(学名:Rheobatrachus silus、別名:イブクロコモリガエル)の資料写真。母親の口の中に小さなカエルが見える。 カモノハシガエルの子育てはユニークで、まずメスが受精卵を飲み込む。すると、胃酸の生成は止まり、即席の子宮になる。数週間後、孵化?変態した幼体を吐き出す。 カモノハシガエル(Rheobatrachus silus)とキタカモノハシガエル(Rheobatrachus vitellinus)という2種に分かれ、いずれもオーストラリア、クイーンズランド州の熱帯雨林の限られた範囲の渓流で暮らしていた。 それぞれ1973年、1984年に発見されたが、いずれも1980年代半ばまでに姿を消している。生息環境の悪化や汚染、カエルツボカビ症などの病気が原因と考えられている。 オーストラリアの博物館には標本がいくつか保存されており、クローン技術で再生させる「ラザロ?プロジェクト(the Lazarus Project)」が始動した。絶滅種の復活を目指す初めての試みで、「失われた種は回復不能という概念を覆す」挑戦でもあると、プロジェクトのリーダーで、シドニーのニューサウスウェールズ大学に所属するマイク?アーチャー(Mike Archer)氏はナショナル ジオグラフィックに語った。 アーチャー氏は今月15日、ワシントンD.C.のナショナル ジオグラフィック本社で開催された、絶滅動物の復活に関する会議「TEDx DeExtinction」の演台に立った。 同氏のチームは、凍結されたカモノハシガエルから“死んだ”細胞核を取り出し、遠い仲間にあたるチャイロシマアシガエルが生んですぐの卵に移植している。 5年間の実験で、いくつかの卵は自然に分裂、初期の胚に成長したが、いずれも数日の命に留まっている。ただし、遺伝子検査の結果、分裂中の細胞にはカモノハシガエルの遺伝物質が含まれていたという。 アーチャー氏は、胚の段階を越えられない理由をまだ突き止めていない。しかし、卵の扱い方を含めてチーム全体で試行錯誤中だ。「いつかよみがえって、うれしそうに跳ね回る。きっと実現すると思う」。