新たな歯科医療の形として注目されているインプラント。その耐用年数は、生涯持つと言われることが多いのですが、無論ただ施術すればいいというものではなく、その後のメンテナンスや治療を担当した歯科医の腕にも影響されるようです。口腔内のセルフケアがおろそかになっていると、せっかくのインプラントもすぐに劣化してしまいます。口内ケアをおろそかにすると歯槽膿漏などのリスクもあり、こうなると人工歯根の土台となっているアゴの骨も弱ってしまい、人工歯が役に立たないどころか、インプラントの寿命も短くなり、最悪の場合はインプラント自体を埋め直す必要が出てきます。インプラントが固定され、義歯が不自由なく使えればインプラント治療も終わります。それからも指示された間隔で歯科医によるメンテナンスを受けなければなりませんからその費用もみておかなければなりません。普通は、三ヶ月に一回のペースで定期検診を受けるように言われます。この定期検診に必要なお金は基本が保険適用なので、あまり高額にはならず三千円程度かかることが多いです。全く問題がなくても、年に1、2万円くらいの費用を支払うことになります。混同されることの多いインプラントと差し歯。何が違うのでしょうか。まず、差し歯は歯の土台が残っている場合にのみできる施術です。歯や歯根の一部が残っている場合に、その上に金属の土台を埋め込むものです。ですから、抜歯してしまって歯がない場合はそもそも埋め込む先がないわけですから、使えないのです。さて、そこでインプラントですが、これはインプラント体などと呼ばれる人工の歯根をアゴの骨の中に埋め込み、そうして出来た土台の上に義歯を接続して固定するという技術です。歯を丸ごと抜いてしまった場合でも、気にせず行えるのが最大の特長であるといえます。インプラントについて、ほとんどの歯科医には治療困難であり、専門の歯科医に頼るしかなければ、国外までも探しにいくというのもありえます。インプラントに関しては、北欧諸国が技術的に優れており、その技術を取り入れるために全世界から歯科医が集まっています。長期間快適に使える歯を手に入れるため、決してあきらめてはいけません。全力で、あらゆる方面から情報を集めてみるしかありません。他の歯科治療と、インプラント治療が大きく異なるのは失敗してもやり直しできないことが多い点です。自分の歯にかぶせるクラウンやブリッジと異なりあごの骨にインプラントを定着させるので時間をかけてもインプラントと骨の間に組織が形成されず、骨とインプラントがしっかり結びつかなければ、再び手術を行って骨を大きく削り直すことになります。そして、インプラントの埋入にはあごの骨を削るので、埋入部分周辺の神経損傷というリスクもあるのです。インプラント治療を検討している方、大事なのは自分にとって最良の歯科医を見つけられるかどうかです。独特の技術を要する治療なので、その腕はもちろん、埋入手術までの検査、治療、手術後のケアなどでも歯科医がどのような技量を持っているかで相当な差があると考えるべきでしょう。インプラントの場合、歯科医による治療成績の差が特に大きい治療法だと考えて欲しいのです。とにかく入念に、歯科医選びをすることが治療の成否を決めるのです。ブリッジや入れ歯に比べ、インプラントではしっかりと噛むことができ、自分の歯のように安心してガムを噛めるのもインプラントにして良かった点の一つです。隣の歯の上に人工歯をかぶせるのではなく、あごの骨に根元を埋め込む形で人工歯を作ったので歯が取れる心配をすることなく、安心してガムを噛めます。インプラント全体も、ガムを噛むくらいでは何ともないくらい強いものでもあります。キシリトールガムも、問題なく楽しめます。どんな問題がインプラント治療にあるかを広く調べたと思いますが、その中に、金属を埋め込むので頭部のMRI検査ができないという問題はありませんでしたか。それは本当のことではありません。MRI検査とは、身体に磁気を当てて画像を作ることです。金属に反応したところの画像は乱れてしまいます。インプラントに使われるのはほとんどがチタンなので金属ですが、磁気には反応しません。検査で問題になることはまずありません。この治療のメインとなるインプラント埋入手術では、もちろん部分麻酔が使われますが、入院して手術することはまれです。ただし、糖尿病や心疾患など、麻酔や出血に関わる持病がある場合は安全を期すため、入院を求められることもあります。あるいは、インプラントの土台になるだけの厚みを持った骨がない場合は、厚みを増すための治療が必要で、骨移植も考えられます。自分の腸骨などを削って、移植する手術だと、手術が二回以上になる場合や、入院する場合もあります。これらのどこかに当てはまる方は信頼できる歯科医とよく話し合った上で、治療計画を立てていってください。気になるインプラント手術の内容とは、プラント(植える)という言葉のごとく、顎骨に穴を開けて、「インプラント体」と呼ばれる人工の歯根を埋め込んで、その上から人工歯を装着する施術です。その他の手段、例えば入れ歯と比較すると、審美性は高く、また食べ物の咀嚼も自然に行うことができます。インプラント治療には、歯科医、歯科技工士といった医療スタッフの高レベルの医療技術が物を言うといわれています。それだけの技術が惜しげもなくつぎ込まれた高度な治療法ということです。いわば「贅沢」な治療といえるので、保険は利かず自由診療となります。インプラントが世の中に定着した技術となった今日では、歯科医の技量も上がり、インプラント手術の失敗はほぼなくなりましたが、とはいえ、残念ながらゼロにはなりません。酷い場合にはインプラントが固定されず抜けてしまったり、食べ物を噛む際に義歯がグラつくなど、問題となる不具合が報告されています。こうしたトラブルは、担当歯科医がインプラントに習熟していないことに起因することが多いといえます。高い技量を持つ歯科医を選ぶことが大事だといえるでしょう。長年放っておいた虫歯があり、結局、歯を抜くことになってしまいました。ブリッジという選択肢もありましたが、歯医者さんから今後のことを考えてインプラントをすすめられ、治療を受ける決心がつきました。ブリッジより高額な治療で、時間もかかりますが自分の歯のような安定した使用感があるといわれました。手術して、だんだん噛めるようになり、間もなく噛んだときの違和感がなくなってきたのでインプラントが正解だったと思います。ある程度の規模の歯科医院で、普通の外来診療のみで行うありふれたケースのインプラント治療も院内感染が起きないと言えません。治療を受ける歯科医院を選ぶときは、感染症対策はどうなっているか調べた上で決めることが命に関わる大事な問題です。感染症対策は重要な問題なので、その取り組みについてウェブサイトの中で説明している歯科医院も確実に増加していますので、そこで調べるのも良いでしょう。せっかく完了したインプラント治療も治療後も快適な状態を維持するために日々のケアが欠かせません。毎日、しっかりブラッシングすることで完璧なプラークコントロールが必要で、歯科医の検診を定期的に受け、歯科医や衛生士に指導してもらうことを続けなければなりません。人工物のインプラントでも、ケアが十分でないと歯周炎などの可能性があります。多くの方にとって、インプラント治療を始めるとき心配なのは、費用の問題も大きいと思います。保険適用されることはごくまれで、ほぼ全てが自由診療と考えて良いので、インプラントを何本埋め込むのかや、どんな材料を選ぶかによって費用にはかなりの開きが出ますし、どの歯科医院を選ぶかによってもずいぶん費用は変わってきます。また、定期的なメンテナンスも必要ということも覚えておきましょう。歯茎を切り開いて、あごの骨に穴を開けるといえば術中の痛みが怖いと思います。インプラント埋入手術を受けても、痛くて我慢できないことはまずありません。麻酔の効き方を確認しながら手術に取りかかるためです。麻酔が切れた後で、腫れてきたり痛みが出てくるケースもありますが、頓服の痛み止めが処方されるため長い間痛みに苦しむことはほとんどないと言えます。インプラント治療を考えている方に知っておいてほしいことですが、仮歯が入れば、義歯だと気づかれることはたぶんないでしょう。あごの骨とくっつき、歯茎から生えた人工歯なので、見た目も自然な印象を与えるのでインプラントだとカミングアウトしなければ義歯だと気づかれることもほとんどありません。前歯など、自然に見せたい歯の場合は最適な治療と言えます。どうしても避けられない問題ですが、インプラント治療は他の歯科治療と比べても高額です。場合によっては、保険診療にもできるようですが、一般的なケースではなく、自費診療として始めるしかないのが費用を押し上げる最大の原因です。どんなに安い治療を選んでも十数万円、困難な治療が含まれるとその数倍の出費もあることを覚悟した上で始めなければなりません。安易にインプラント治療を始めることはおすすめしません。様々な事情から、他の治療が受けられない方にすすめられる治療なのです。抜歯した歯が多く、クラウンやブリッジが入れられない。入れ歯では噛み心地が満足できない、などのため必然的にインプラント治療になる患者さんが多いでしょう。インプラントと入れ歯との違いが気になるところですが、インプラントの場合、より自然な噛み心地を得られるため食感がしっかり伝わり、美味しく食べられるようになります。「インプラントとクラウンの違いは何?」という疑問の答えは、義歯が自分の歯根に支えられているかどうかです。虫歯などで、歯の損傷が激しくても、根のケア次第で上からすっぽりとクラウンをかぶせる治療ができます。しかし、根から抜いた場合はまず考えられるのは入れ歯ですが、その他にあごの骨に穴を開け、人工歯根を埋め込むインプラント治療を適用する可能性があります。インプラント埋入手術の直後、自分の歯がうずく反応もよくあります。麻酔をかけて人工歯根を埋め込み、その周辺組織が腫れて熱を持ったため周辺の歯の神経も刺激されたことが原因でインプラントが落ち着けば、その反応も静まることが圧倒的に多いです。実は他の問題が隠れていたということもありますから、特に手術後は、異変を感じたら速やかに歯科医の診断を受けることを忘れないでください。インプラント治療が、喫煙によって阻害される危険性は決して看過できるものではありません。インプラント治療には数ヶ月、あるいはそれ以上かかる覚悟をしなければなりませんが、インプラントの周りがしっかり固まり、あごの骨と結びつくことがその後の治療に関わる重要な問題です。組織の形成には、タバコのニコチン、一酸化炭素などが確実にマイナスの作用があります。インプラント治療を順調に終えようとするなら、少なく見積もっても、手術から治療完了までは禁煙を決意してください。もし、インプラント治療前に歯科や口腔外科のの既往症があればあごの骨に病気や障害がないかどうか確認してください。特に要注意なのは歯周病や顎関節症で、まずそちらの病気を完全に治すことを忘れないでください。さらに、美容整形を受けてあごの骨を削った患者さんも治療にかなりの危険が伴います。こうした病歴があっても、直ちに治療できないといわれる可能性は低いためまずは歯科医に全て話しておきましょう。顎骨に人工歯根を埋め込んで義歯を固定するインプラントは、全てが同じ構造ではなく、各パーツの構成により複数のタイプがあり、用途に合わせて使い分けられています。人工歯根からアバットメントまでが一つのパーツになっているのを1ピースタイプといいます。それ以外に、これらが歯根部と支台部に分かれている2ピースタイプがあります。この2ピースタイプはさらに、アバットメントを接続するプラットフォームの形によって、凸面(エクスターナル)タイプと、凹面(インターナル)タイプという二つの形式に分かれます。この内、インターナルの方がアバットメントの接続が容易と言われています。現在ではインプラント治療も一般化してきましたが、インプラントを使い始めてから、口の臭いが気になるようになったケースが歯科医院ではよくきかれます。義歯なのに本物の歯より臭うの?とお思いの方もいるでしょう。これには、歯茎に埋め込んだ土台と義歯の間などに、詰まった食べカスが磨ききれずに残ってしまったり、天然の歯における歯周病と同様、インプラント周囲炎という炎症になっている可能性も考えられます。こうした症状に気付いたら、すぐに歯医者さんに診てもらいましょう。インプラントが虫歯になることは絶対ありませんが、だからといってお手入れなしで長持ちするとは言えません。特に人工歯根に異変があったら、すぐに診てもらわなくてはなりません。自身の歯と同様、プラークコントロールができていないと当然、歯肉炎や歯周病は起こり得ます。自分の歯に対する手入れと同じで良いので歯科医に指示されたブラシなどがあればそれも使い、毎日のセルフケアを怠らないことが大切です。そして、歯科医に指示された間隔で専門的なメンテナンスを受けてください。高額なインプラントは、一体何年くらいもつのかというと、長く使っている症例は多くないのが現状ですが、きちんとメンテナンスを行った場合は本物の歯に匹敵する耐久性があるというのが多くの意見です。ということは、日頃のケアを欠かさなければ長期にわたって維持できますが、他の自分の歯と同じように、ケアが行き届かなければインプラントの維持が難しくなってしまうと思ってください。入れ歯や差し歯と比べても利点の多いインプラントですが、これは若干特殊な治療法であり、制約もあるので覚えておきましょう。それは、誰にでも適用できる治療法ではないという事実です。糠喜びにならないためにも知っておきましょう。どういう方が治療を受けられないか簡単にご説明しますと、ガンで治療を受けている方や、糖尿病、心臓病などの持病をお持ちの方、顎の骨の強度に問題があったり、既に骨がなくなっているなどの方も、インプラントの利用が不可能と診断されるかもしれません。一口にインプラント治療といっても、3つのハードルを越えなければなりません。まず、人工歯根をあごの骨に埋入します。あごの骨、及び周辺組織と人工歯根がなじみ、定着するのを待ちます。歯根と義歯の間をつなぐアタッチメントをつけ、義歯をかぶせれば使用可能です。というのがだいたいの流れです。この中では、人工歯根があごの骨に定着するまでに時間がかかり、もちろん、いろいろなケースがありますが、2ヶ月くらいは最低でもかかり、長い場合は6ヶ月ほどかかるのが普通です。このため、インプラント治療を始めてから義歯を使えるようになるまで、要する期間は短くて3ヶ月、長くても10ヶ月くらいだと考えて良いでしょう。インプラントの利用を考える際に、手術後に腫れてくるのではないかと心配する人もいるでしょう。それは、治療を行う歯科医の腕や、患者さん自身のコンディションにもよるので、どうなると言い切ることはできず、「やってみなければ分からない」という回答になってしまいます。担当医の指示通りに痛み止めを服用し、患部を冷やすなどの処置で痛みが引く場合が多いですが、それでも痛みが引かない場合や、痛みが強すぎる場合などは、放置せず、すぐに担当の歯科医に診せましょう。