ここまで6回分のローカル路線バス乗り継ぎの旅のルート案を作成してきました。


1回目が千葉県〜静岡県(関東・中部)

2回目が三重県〜広島県(中部・関西・中国)

3・4回目が大分県〜鳥取県(九州・中国)

5回目が福島県〜青森県(東北)

6回目が岐阜県〜和歌山県(中部・関西)


まだ通っていない地方は北海道と四国だけになったので、まずは北の大地・北海道をクリアしておこうと思いました。


けど、北海道はすでに3回放送されていて、函館→宗谷岬という南北を結ぶコース、洞爺湖→羅臼、ニセコ→知床五湖という東西を結ぶコースが使われてしまっています。


一方でスタートからゴールまでの距離を確保しておかないと簡単すぎるという問題もあるので、まだ使われていない端っこである襟裳岬から、北端の宗谷岬までのコースを考えてみました。



1本目のバスは2択


襟裳岬を通るバス路線は1路線のみ。

JR北海道バスの日勝線という路線で、様似と広尾を結んでいます。

襟裳岬はその途中に位置するので、この路線のどちらに向かうかという2択だけが存在している形になります。



西の方には、日高本線が最近廃線になった関係で、廃止代替バスが通っていて、苫小牧や札幌、北広島まで難なく進むことができます。

北の方は、スタート時間を10時頃とした場合、いきなりかなり待つことにはなりますが、終点の広尾からいきなり大都市の帯広まで出られるバスがあります。

このどちらを選んでも、表にまとめた通り、いろいろな選択肢が確保されます。




X:苫小牧経由

西に向かい、ルートが見えやすい苫小牧まで一旦突っ込んでみます。様似、静内、苫小牧、新千歳空港と乗り継ぐ形です。
静内で2時間超の待ちがありますが、1日で千歳駅前までたどり着くことができます。

千歳駅からは、札幌市内の福住駅までのバスが出ています。
ここに分岐が発生します。福住を経て札幌駅方面に向かうのか、プロ野球日本ハムの本拠地ができて盛り上がる北広島方面に向かうのかです。
札幌経由をX-1、北広島経由をX-2と名付けます。


X-1:苫小牧・札幌ルート

まずは札幌駅前に向かうX-1を検討します。
北海道中央バスでは、人員不足のため、札幌市中心部への乗り入れを取りやめ、札幌市営地下鉄への接続という形で短縮するダイヤ改正を最近行いました。
この路線もその一環で、札幌駅前には直接向かえず、福住駅で乗り換えが必要になりました。

札幌駅から先も系統分割が行われていて、あいの里教育大駅まで1本で行けなくなりました。とはいえ、本数はそれなりにあるので、乗り継ぎもそれほど悪くなく到達できます。

この先はコミュニティバスを乗り継ぎ、当別、月形、浦臼と至ります。
月形浦臼線の運転間隔がかなり空くため、月形当別線はもう一本遅い当別駅15:05発でも以降同じになります。札幌で聞き込みに手間取ったりするかもしれませんが、1時間30分以上猶予があれば、流石に大丈夫でしょう。

浦臼から滝川も民間路線バスが最近撤退し、浦臼町による運営に変わっています。
そして滝川から深川に向かうと20時を過ぎ、ここで2日目を終えることになります。

3日目は深川→旭川→名寄→興部→雄武→枝幸と5本のバスに乗ることになります。どうでもいいことですが、この5本はいずれも別会社のものです。あんまり他にこういう事例はないような。

このあと他のルートについても触れますが、この雄武以降は行き方が1択です。しかも雄武→枝幸は1日2本しかありません。雄武国保病院8:38発と17:38発です。

今回検討したルートでは、ほとんどが3日目の17:38発を使用します。1つだけ、2日目の17:38発となるぶっちぎりルートがあります。

雄武のデッドラインは4日目8:38発です。
 雄武国保病院8:38→9:50枝幸
 枝幸9:55→1040浜頓別
 浜頓別1335→1520宗谷岬
となります。
これに接続するのは
 紋別6:59→7:44興部7:44→8:15興部国保病院
という便です。
現状の検討だと興部16:55発に乗っているので、夜の19:00発の便と合わせ、2本分遅れてもいいということになります。


X-2:苫小牧・北広島ルート

千歳から福住までのバスに戻ります。
これを三井アウトレットパーク入口で途中下車して乗り換えると北広島経由の最短ルートですが、事前情報がなければこの選択肢は取り得ないように思います。



そこで、北広島経由のX-2ルートは、福住までたどり着いてから北広島に向かう場合(X-2a)と、最短のアウトレット乗り換えが出来た場合(X-2b)を両方検討してみました。

ただ、両者に大きな違いはありませんでした。福住から北広島も1本で行けます。
北広島から長沼町役場までのJR北海道バスについては乗れる便がずれてきますが、その先の長沼→岩見沢の本数が少ないため、ここで合流することになります。

その後も北海道中央バスの路線を岩見沢→美唄→滝川と結びます。
滝川から先はX-1とほぼ同じ経路ですが、やや早く着く分、滝川→深川の経由地が違う系統に乗れて、それの途中の音江分岐点というところで旭川行きに乗り継げます。
音江〜深川間は路線が重複しているのでどこで乗り換えてもいいのですが、別会社なので乗り換えられることに気づかないかもしれません。
しかし、音江では2時間以上待つような接続なので、深川十字街まで乗ってしまっても問題ありません。深川で聞き込みをゆっくりする余裕すらありそうです。

悠々ゴールしたX-1より早い便で向かえるので、以降の経路は割愛します。



Y:日高町経由

1本目で西に向かい、苫小牧に至るルートを紹介したので、次は逆の広尾・帯広方面かと思っていましたが、もう一つ西行きに乗った場合に取りうる選択肢を紹介します。

えりも岬から様似、静内と乗り継いでくるところまでは同じです。
Xのときは、静内で2時間ほど待ち、16:10発の苫小牧行きに乗りました。
しかし、それより前に14:20発の平取行きというものがあります。14:05に静内に着いているので、とりあえず飛び乗るという選択もありそうです。

この路線は、途中の富川までは苫小牧行きと同じ経路で、富川から北上します。


まず行けるだけ行って、やはり向かうのは苫小牧だと考えると、結局Xで選択した便に乗ることになります。

一方、終点の平取まで乗ると、その先、同じ道南バスで日高ターミナル行きに乗ることができます。

このルートは、スタート地点のえりも岬からは少し思いつきづらいものの、調べる限り最速ルートになります。
日高ターミナルからは日高村営バスが出ていて、このバスが町村境を超えてくれるので、1日目で占冠駅前まで行けます。
すると、2日目の朝一番に占冠村営バスで富良野駅へ、富良野駅からはふらのバスで旭川へとつながります。

以降、経路はXルートと同じなのですが、Xでは旭川到着が2日目の夜遅く、あるいは3日目の朝でした。こちらのルートは2日目の午前中に旭川に着きます。
ここから順当に乗り継ぐと、1日2本しかない枝幸行きの夕方の便に間に合う時間に雄武に着いてしまうため、2日目を枝幸で終えることができます。
Xルートと比べて丸一日早く、ゴールは3日目の午前という爆速ゴールです。


Z:帯広経由

さて、再び襟裳岬に戻り、1本目のバスを広尾行きとしたらどうかを検討します。

広尾行きはあまり本数がないため、12:18発になってしまいます。
いきなりこれほど待つのはとても勇気が要るので、現地で選択するのは現実的ではないようにも感じます。

とはいえ、調べてみるとゴールは可能だったので紹介しておきます。

前述の通り、帯広まではすんなり進むと思います。
(とは言っても帯広着は16:50ですが)
その後、帯広から西に向かうか北に向かうかで選択が発生します。


Z-1:帯広・新得ルート

まずは西に向かうことを考えてみます。
1日目は鹿追、新得と北海道拓殖バスを乗り継げます。
新得からは、根室本線が長期運休している区間にあたるので、代行バスを利用できます。
3月のダイヤ改正で鉄道の廃線とバスでの代替が決まっているのですが、3月以降の時刻表はまだ確認できなかったので、とりあえず現状の代行バスしかない前提で検討しました。

代行バスは新得から東鹿越まで走っていますが、東鹿越駅には一切集落がなく、終点まで乗ってしまうと、金山駅まで3時間近くの徒歩でぶっちぎるか、引き返すかの選択を迫られます。

占冠村が落合駅までの村営バスを走らせているため、落合で途中下車するのが正解かと思います。
この路線は、バスvs鉄道でバスチームが使っていたのが記憶に新しいです。

ちなみに、東鹿越駅に着いてしまった場合は
 東鹿越駅15:13→15:21幾寅駅or15:33落合駅
 幾寅駅前17:50or落合駅前18:02→18:51占冠駅前
 占冠駅前6:46→8:00富良野駅前
 富良野駅前8:20→10:00旭川駅前
となります。
旭川発は10:05予定だったので、奇跡的に5分乗り換えを成功させられれば追いつけます。
無理だった場合も
 旭川駅前12:00→14:38名寄駅前
 名寄駅前15:02→16:35興部
と乗り継げば、興部からは同じです。

以降はXルートと同様に、4日目昼前にゴールできる流れです。


Z-2:帯広・北見ルート

もう一つの選択肢は、北に進んで北見に向かうことでした。

帯広駅には16:50に着いていて、先ほどの鹿追行きは17:50発なので、それより早く出発する陸別行きに乗る選択も、かなり現実的だと思います。

これに乗ると、1日目は陸別に泊まることになります。
早起きして陸別5:49発に乗ると、北見に7:30に着きます。

北見から遠軽へは民間路線バスはなく、その間に位置する佐呂間町をどう抜けるかが課題になります。
佐呂間町はコミュニティバスを運行しているので、これを使いたいところですが、ここで曜日による分岐が発生します。

網走線(網走〜常呂〜佐呂間)は水曜日に1往復
遠軽線(佐呂間〜遠軽)は月水金に各3往復
北見線(北見〜佐呂間)は火木に各3往復
となっています。
佐呂間町の北見線は、北見バスターミナルのある北見駅前ではなく北見赤十字病院から出ます。これに気づけない可能性は高く、まして常呂バスターミナル・常呂厚生病院乗り換えになる網走線なんて…とも思ったので、徒歩でぶっちぎる選択肢も考えてみました。

したがって、
Z-2a(2日目が火曜):北見線→翌日朝一番の遠軽線
Z-2b(2日目が水曜):網走線→遠軽線
Z-2c(平日全日):徒歩
の3パターンを検討しています。

Z-2aで一番楽な経路は、12:56に佐呂間町バスターミナルに着いて、そのままそこで宿泊先を探してしまうことです。
3日目朝一番の遠軽線に乗れば、ゴール可能です。
ただ、真っ昼間に打ち止めは勇気のいる行動でしょう。

その場合、佐呂間町の町内を走るスクールバスに乗る選択もあり得ます。
 佐呂間町バスターミナル13:15→13:52本間水産
 <徒歩40分(2.9km)>
 3号線18:04→18:40中湧別TOM
とつないで、中湧別で宿泊すれば、翌朝
 中湧別文化センタートム7:14→8:15紋別
となります。

Z-2bは、難なく遠軽までつながります。
Z-2cは、Googleで徒歩3時間35分と出た留辺蘂→清里間を本当に徒歩でしかつなげないのか??と粘って聞き込みをして、どうにか回避したい選択肢です。

どの選択をしても、やはり雄武のボトルネックがあって、3日目夕方便で枝幸、4日目の昼前にゴールとなります。


ここまでいろいろなパターンを考えてみましたが、北海道は都市間の距離が長い分、バス路線の距離が長い傾向にあるため、結構な移動ができる印象でした。
バス路線が少ないこともあって、ルート選択の難易度も高くはないように思います。
何より、最速3日目昼前にゴールできてしまうルートもあるので、番組的にはかなりイージーな部類に入りそうです。