エンジンオイル伝道師の”脳みそBAAAAAAN(バーン)!”

エンジンオイル伝道師の”脳みそBAAAAAAN(バーン)!”

ノーマルエンジンには乗れない体質の変態社長のむっくん。
集中すると食べる事も忘れ、いつのまにか夜中になっていることもしばしば。

何事も出来ないではなく、出来るまでやる!無いものは作る!
集中するとストレスたまって脳みそバーン!

今日はクーリング 冷却について話をしましょう

エンジンの冷却といえば皆さんが想像するのは ラジエターやオイルクーラーだと思います
さてこのラジエターやオイルクーラーはエンジンを冷やすのですが どういう働きをするのでしょう?

考えたことありますか?
エンジンの冷却は燃焼室の温度コントロールを目的としているんです
これからその説明をしていきましょう

夏は空冷エンジンにとって厳しい季節です
空冷エンジンは文字通り 風を受けてエンジンを冷やす仕組みです
風が当たらないと 冷えません

なので真夏の渋滞で油温は急上昇していきます
走り出すと エンジンは冷えは始めますが  エンジンの前面だけが冷えます 後面は冷えません

空冷エンジンは冷える部分と 冷えない部分が出来てしまうので 熱に対して安定しないんです

ここで熱ダレというものが発生してきます
この熱ダレ対策で オイルクーラーを付けて対策をとる方も多いと思いますが
オイルクーラーを付けたらからと言って 簡単に冷えるものではありません

なぜならオイルクーラーも風を受けないと冷えない仕組みだからです
つまりオイルクーラーも空冷なんですよ
走らないと冷えない

水冷エンジンは熱に対して均等に冷却できるのがメリットです



水冷も空冷最も熱を持つ部分は シリンダーヘッドです
重要なのはシリンダーヘッドの冷却です 
一番熱を持つのがシリンダーヘッド部分 シリンダーと思ってませんか?

空冷エンジンも水冷エンジンもシリンダーヘッドを冷やすことが重要なんです
だから昔のスズキ GT380 通称サンパチはラムエアといってヘッドに走行風を集めて冷却する仕組みを作りました



エンジンヘッドを冷やして 燃焼室の温度を下げることを目的としています
燃焼室の温度がさがるとその効果は

  • 異常燃焼を抑制
  • 燃焼効率の向上


燃焼室の温度を下げることは
エンジンはパワフルになりエンジン性能向上とトラブル防止が同時にできることです

そのメカニズムですが

夏と冬どちらがエンジンのパワーが出ると思いますか?
答えは冬

寒いほど空気の密度高くなり 暑いほど低くなる
空気の密度が高いと 含まれる酸素量が増える 
だからガソリンが燃焼する時に必要な酸素が多い方がいい

出来る限り冷たい空気を吸い込み 燃焼室の温度を下げたい分けで
ターボ車にインタークーラーが付いているのは  タービンの熱で熱せられた吸気を冷やすため このインタークーラーにウォータージェットスプレーが付いている車種もありますね

インタークーラーに水をかける事で 気化熱を利用して更に吸気を冷やす効果を狙っています

現代のエコカーにはEGR排気再循環システムがあり 排気ガスの温度を下げてエンジンに送り 燃焼室の温度を下げる役目もしています
もうひとつオマケにNOSというものがあります
NOSはナイトラス・オキサイド・システム(Nitrous Oxide System)
亜酸化窒素と呼ばれるガスをエンジンに噴射してパワーアップするシステムです
これをエンジンに燃焼室に送り込むと燃焼室の温度が劇的にさがり パワーアップすることができるシステムです

なぜ燃焼室の温度があがるとダメなのか?
燃焼室の温度があがると 吸い込んだ混合気は勝手に点火プラグが火花を出すよりも先に
燃焼を始めます

するとコンコンとノッキングがはじまります
勝手にガソリンが燃えてしまっては困るわけですよね
そこで使われるのがハイオクです

ハイオクは燃えにくい特性を持たせることで 正しい点火タイミングで燃焼させるんですよ
これは圧縮比が10:1を超えると起きるものなので 圧縮比が低いエンジンは レギュラーガソリンとなっています

話が脱線しましたが
燃焼室の温度を下げることがいかに大事なことなのかをご理解いただけたでしょうか?

旧車など具体的な冷却方法を紹介しましょう

エンジン付近の熱い空気を吸わせない様にする
私のシビックEK9では右フェンダーの中から吸気する様になっているのは
エンジンルームの熱い空気を吸わせないため
現代の車はボンネットフード前面から吸気しています

冷たい空気を吸わせることで 燃焼室の温度を下げる効果を狙っています
バイクなどはキャブとエンジンとの間に遮熱版を取り付ける方法もありますね

燃料を濃くしてエンジンに送り込む
燃料を濃くすることで 燃焼室温度をガソリンの気化熱で冷やすことをねらう

排気バルブのタイミングを少しだけ遅らせる 
遅らせると排気ガスの温度が下がります 完全燃焼すると燃焼室の温度がさがるんですよ
今のエンジンは可変バルブがついてますね


ラジエターの大型化 
ラジエターの容量を大きくすることで エンジンの冷却を行います エンジンヘッドを冷却します
ラジエターを大型化すると トルクも太ります


冷却を考えるとこれは外せないですね ヘッドに流れるのはオイルです
潤滑しながらエンジンヘッドの熱を奪います 

これらはエンジンチューニングに使われるテクニックですよね
燃焼室の温度を下げるための工夫をしていたわけです

コンピューター制御のエンジンは 異常燃焼を抑制するためには 
点火タイミングなどの調整をしたりと対策がとられていますが

昔はコンピューター制御ではありませんから よく異常燃焼を起こしてピストンに穴があいたり 焼き付いてましたよね

焼き付きが起きると なんでもオイルの責任にされてしまいます
でも実はオイルが原因で起きるトラブルってほとんどありません

原因究明はエンジンを分解すれば わかることなんですが
分解してまで原因究明すると時間と費用の問題もあって行われていないのが実情です

これまでバイクを例に取っていますが 車もバイクも基本は同じです

エンジン表面は空冷エンジンであれば走行風
水冷エンジンは冷却水ですが 
エンジン内部はエンジンオイルが各部の熱を奪いながら 潤滑しています



エンジンオイルの働きには冷却があって 
その冷却効率はオイルの製造方法によって変わります

エステル系やPAOは冷却効率が非常に悪い
理由は分子が小さいから
分子が小さいと 密度が高くなり 密度が高くなると 熱しにくく冷めにくいオイルになります

その逆に冷却効率が良いのが鉱物オイルです
分子が大きいと密度は低く熱しやすく 冷めやすい特性を持ちます

空冷エンジンの渋滞にはまった時の油温対策としては2つ
オイルクーラーが付いているならば ラジエターのファンと同じ様に オイルクーラーに冷却ファンを付けること
もう一つ簡単な方法としてはノンポリ鉱物オイルが効果的 油温が見る見る下がって熱ダレ対策としても効果があります

両方やると油温は驚くほど下がります

トラブル防止として
エンジンのヘッドカバーを開けると 金属が変色しているのを見かけます
これをオイル焼けといいます

スラッジではありませんが 金属に汚れたオイルが付着して変色したように見えます
このオイル焼けはエンジンの冷却を邪魔するものです
こういうことにならない様にオイル管理はしっかり行わないといけませんね

どれだけエンジンの冷却が大事なのかをご理解頂けましたでしょうか?

雑誌にNOSはパワーアップ出来るパーツとしか思っていなかったかたも多いはず

オイルクーラーにそんな働きがあったとは思っていなかったという人も多いはず

エンジンオイルにも冷却性があるとは知っていたけど そんなに重要なアイテムだとは
思っていなかった人も多いはず
これらはすべて燃焼室の温度を下げるための仕組みです

たかが冷却ですがされど冷却
油温130℃でも大丈夫!?
燃焼室の温度があがり エンジンブローするのは目に見えてます

雑誌やネット上に溢れる情報を私の発信する情報を含て いちど疑い本質を見抜く必要があるのではないでしょうか?