……ねえ,これ誰が書いてんの」


 ちょっとヒマだからといって,読んで損した。


 渡されたケータイをジェジュンヒョンに突っ返す。


「ヒ○ョルヒョン」


 かなーと思ったけど。


「ちゃんと読んだ?」


「前のさ,なんだっけ。三角関係のもつれでガソリンかけるやつ」


「あー,あれね」


「あっちの方が断然,質が高かった」


 短かったし。


 今度のは,俺とヒョ○ス……?


 そんなのあんのか。


 ベースはユスだ。


「これ続き物らしいよ。でも,なんでおれとユノじゃないのかな」


 ……そこ悩むとこ?


「おれをユノが誰かと取り合うみたいな,そんなのがよくない?」


 そんなに本気で読みたいの?


 もう本人に「ユンジェも書いて」って頼んだらよかったのに。




 なんで単純にユスじゃなくて○ョクスが入ってるんだろう。


 前のといい,基本三角関係がいいのか。


 んで,誰かが死ぬんだ。


 修羅場だ。


 おもしろがってるなあ。




「なに見てんのー?」


 やっぱりジュンスが混ざってきた。


「ユスのペンピク。読む?」


「見なくていいって」


 ヒョン,渡さなくていいってば。


「僕がユチョンとほったりほられたりするやつ?」


「あっは,そこまではしてなかった」


 ジュンスが言うと笑えるけど,リアルに考えたらやばいだろ。


 よせばいいのに,ジュンスが画面を見つめて黙り込む。


 ニヤニヤするジェジュンヒョン。


「ヒョン……,ヒチョ○ヒョンはそんなにヒマなの?」


「いや,ヒョンが特殊なだけだと思う」


「だよな……」


「ふーん」


 ジュンスがヒョンにケータイを返す。


「はやっ。ジュンちゃんもう読んだの?」


 表情が読めない。


 だめだ。


 ジュンスの反応がちょっと気になる辺り,やっぱり俺,恋してるわ。


「長いから読むのやめた!」


 ジェジュンヒョンの笑い声を背に,ジュンスは席を立った。


「……だよな」




 三角関係のライバルか……。


 実際,ジュンスの中で,俺って優先順位の何番目なんだろう。


 家族には負けるとして,サッカーにも負けるとして……。


 誰か俺より上なやつって,いる?


 って俺なに考えてんの。


 やっぱりだめだわ,足りてない。


 ジュンスが。


 余計なこと考えて不安になる前に,今日はジュンス連れて帰ろう。


 たまには独り占めしないと。




 無意識にジュンスを追いかけた俺を,ヒョンが後ろで笑った気がした。