悪阻が治り、実家から戻ると、

娘のお友達を見つけるべく、
近所の公園へ顔を出してみた。

ある日は神社脇の公園へ。

一人で子供を見守るお母さんがいたので
『こんにちは♪( ´▽`)』
話しかけると
『あー、どうもー』こちらを一瞬見て
浅く首をコクン。

すると突然
『え、てか誰?』
後ろから威嚇するかの様なきつい声。

『あ、ここ初めてなんです、
よろしくお願いします(*´-`)』
と挨拶し終わらないうちに

『はーい、よろしくー、
ここはみんな仲良しさんと来てるからー
貴女も仲良しさんと来た方がいいよー』


ん?

ん?


先ほど挨拶したお母さんは
そのボスママに隠れて、
知らんぷり。


今はどうなんでしょうね、


17〜8年前になりますが、
あの頃は本当に徒党を組んで
公園を占拠するママ友軍団が
そこかしこにいました。

私はそんな公園ルールなど
知りません。

その言い方にも違和感しかない。

素直に聞きました。
『え、公園は誰でも遊んでいいんですよね?
お友達作りたくて公園に来たんです。

この間まで保育園にいたので
お友達いなくて。』


すると、
ボスママは鼻で笑って
『べーつにー、いいんじゃない?

あ、うちらには期待しないでねー
ママ同士の感性違うと
子ども同士も上手くいかないからさぁ』

と言う。

そこで我が娘をちらっと確認。

すると、
元気そうでヤンチャそうな男の子と
少しお姉さんかな?という、優しい女の子と
三人で滑り台。

『あ、娘はお友達できたみたいなので
良かったです。

じゃ、どうもー』

と、その場を離れようとしたその時


『ミクっ!
何知らない子と遊んでんのよっっ!

ダメでしょ!

ほら、タッくんも!』


なんとその二人は
ボスママのお子たち、、、笑。


その子たち
『えー、なんでー?

この子いい子だよー

ちゃんと順番守るし、
言う事ちゃんと聞くよ〜』
お姉さんが言ってくれた、優しいなぁ。

すると、ボスママはみるみる真っ赤な顔に。

『なんでも!
ダメなんだからダメなの!』

無理矢理滑り台から引き剥がし、
引きずるように公園を後に。

娘は
『おねえちゃん、やさしいよぉ』
楽しそうにお話ししてくれた。

きっとこの公園で会ってももう遊べないかな
でも良かったね、
今日は楽しく遊べて。

少し切なくなりながら、

『優しいお姉さんでよかったね。
また遊びたいねー』

と、答えるしかなかった。


けど、

その2年後、
娘とその弟くん(タッくん)は
幼稚園で2年同じクラスになった。

そして、小中も同じ学校。

タッくんは中学でグレて、
あの優しかったお姉さんは
高校を中退したと聞いた。

あの公園での二人は
のびのびと優しい
素敵な子たちだったのになぁ。

いや、グレたって、中退したって、
中身が変わったんじゃない。
きっと、ボスママからの呪縛を
自ら解き放ったと、

私は思っている。