産婦人科医になって少し経ってから、患者さんにピルを処方するためにピルの勉強を始めた。

10歳代の頃から生理痛は強い方だったと思うが、まだ若いからだと思い、母におすすめされた市販の鎮痛薬を飲んで耐えていた。
20歳代になっても生理痛は改善せず、初めて産婦人科に行った。その時ついでに生理不順も相談したが、特に何故生理不順とかは言われず、エコーも診てもらったが、その産婦人科は患者にエコーを見せない所だったので、自分の子宮卵巣がどうなってるかは分からなかった。
まぁ特に問題なかったのだろう。

とりあえず漢方飲もうかと言われ、当帰芍薬散を処方された。
それまで漢方を信じてはいなかったが、意外と効果があって、生理痛は軽くなり、生理不順も多少改善したように思う。生理痛の改善にとても感動したことは鮮明に覚えている。
この経験から、患者さんには騙されたと思って漢方飲んでみてと言うことも多々ある。

しかし、漢方のデメリットは1日3回飲まなければならないこと。
薬のコンプライアンス(指示通りに飲むこと)が非常に悪い私にとって、漢方をずっと続けることは難しかった。

しばらく市販の鎮痛薬で過ごす日々を送っていたが、産婦人科医になってピルを知るようになり、患者に使い方や効果を説明するためにもピルを飲もうと決めた。

薬のコンプライアンスの悪い私がピルをきちんと飲めるのかも不安だったが、これが欠かさず毎日飲むことが出来た。
何故かと言えば、比べものにならないくらい楽だったからだ。
生理痛もないに等しく、生理不順も気にならなくなる。とにかく体調にムラがなくなるのが嬉しかった。
この生活を2〜3年して、そろそろ子供が欲しいというのが一番の理由で結婚してピルをやめた。

ピルを飲むまでは1ヶ月半〜2ヶ月に1回の生理だったので、一般的に言う28日周期はもともと私には無縁であった。
しかし、ピルをやめたら28日〜30日で生理が来るのだ。
基礎体温もつけていたが、きちんとニ相になっており、高温期もしっかり2週間続いていた。
これはタイミングも取りやすいし、すぐ妊娠出来そうだ!と思った。

幸い旦那さんも子作りには協力的であったので、排卵1週間前(生理が終わった頃)から基礎体温が上がるまでタイミングを取る日々が始まった。
もともとの生理不順を考えるとタイミングを取るのは難しそうだと思っていたが、ピルのお陰か順調に排卵し、ピル様々だと思った。

色々総合すると、ピルは最高である。