物心ついた時にはもう夜は1人で寝かせられた
広い寝室に布団が三つ
真ん中の布団で9時には1人で寝る
真下からテレビの音、家族の声
そして時々父親の怒鳴り声が聞こえてくる。
寝付けない時はいつも部屋を出て、
廊下を渡って階段の真ん中でいつも座っていた
そこは
下からの電気が届くかどうかギリギリの場所
見つかりそうになったらすぐ上の部屋に戻れる
ギリギリの場所。
暗闇と明かりの中間で
じっと座って下の様子を伺っていた。
時々聞こえる姉、兄、親の混ざった笑い声を聞いては、仲間はずれを感じていた。
どうしてそこにいたかったのか、それは
見つけて欲しい。さみしい私を見つけて欲しい
さみしかったんだねとわかって欲しかったからかもしれない。
時々は幽体離脱してまでその場所にいた。
今もその場所は鮮明に覚えている。
昨日、実験として、頭の中で、そこに自分の子供を連れて来て座らせて見た。
子供は、もう布団に行こう。
ここにいてもしょうがないよ。と言った。
子供にうながされるまま布団に行く。
布団の中で、下に行きたいよーと私は泣いた
何で下に行きたいの?
じじいに怒鳴られるだけじゃん(笑)
ここにいれば安心だよ。
そう言われて気づいた。
あ、そうか、
私は、下でお父さんがいつ怒鳴るか、
どんなことで怒っているか知りたかったんだ
知れば逃げるとか対処ができるから。
大人になったら、
もう下の声が聞こえない場所で寝られるよ。
大人になったら、
毎日僕と一緒に寝られるからさみしくないよ。
子供はそう言ってくれた。
涙があふれてしばらく止まらなかった。