9歳差だった歳が4歳差になった


私だけが年老いていく


悲しかった気持ちはなくならないのに

記憶はどんどん薄れていく


でも、夏になると思いだす


あなたが死んだ時にいきなり梅雨が明けて

それまで雨続きだったのが嘘みたいな夏日になった


私は前日にもう雨の中、お腹に子をかかえて病院へ通うのがツラいと伝えていたと思う

あなたも雨が嫌いだった


まさか、自分の旅立ちの日を晴れにするとは

そしてもう雨にも夏の蝉にも怯えて通わなくてよくしてくれた

さすが優しいあなたなんだけどさ

私はそうして欲しかったんじゃないんだよね

ほんとにいっっつもそう

優しいんだけど、私が欲しいのはそっちじゃないんだよ


ちゃんと退院して一緒に暮らしたかった


そんな噛み合わなかった短い夫婦生活

もっとちゃんと家族になりたかったな