最初に上陸した島を「サン・サルバドル(聖なる救世主の意)」と名づける。
一行は、島の先住民アラワク族インディアン達から歓待を受ける。
アラワク族は船から上がったコロンブス達に水や食料を贈り、オウムや綿の玉、槍やその他見たことのないたくさんのものを持ってきた。
コロンブス一行はそれをガラスのビーズや鷹の鈴と交換した。
だがしかし、コロンブスの興味は、ただ黄金にしかなかった。
「彼ら原住民(アラワク族インディアン)たちに、私に差し出さなければならないものがこの品々の中にあるのかどうか教え込むために、私は力ずくで原住民の何人かを連行した。」
「彼らは武器を持たないばかりかそれを知らない。
私が彼らに刀を見せたところ、無知な彼らは刃を触って怪我をした。
彼らは鉄を全く持っていない。
彼らの槍は草の茎で作られている。
彼らはいい身体つきをしており、見栄えもよく均整がとれている。
彼らは素晴らしい奴隷になるだろう。
50人の男達と共に、私は彼らすべてを征服し、思うままに何でもさせることができた。」
「原住民たちは所有に関する概念が希薄であり、彼らの持っているものを『欲しい』といえば彼らは決して『いいえ』と言わない。
逆に彼らは『みんなのものだよ』と申し出るのだ。
彼らは何を聞いてもオウム返しにするだけだ。
彼らには宗教というものがなく、たやすくキリスト教徒になれるだろう。
我々の言葉と神を教え込むために、私は原住民を6人ばかり連行した。」
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アメリカ合衆国の記念祝日である10月12日、「コロンブス・デー」は、インディアンにとっては「白人による侵略開始の日」に他ならない。
反「コロンブス・デー」運動は「American Indian Movement(アメリカインディアン運動)」などに引き継がれ、毎年この日になると全米各地で抗議行進やデモが行われていて、この際多数のインディアンが逮捕されている。
インディアン団体「AIM」のコロラド支局はその公式サイトで、「Transform Columbus Day!(コロンブス・デーを変えろ!)」として、この記念祭の廃絶を求め、以下のように主張している。
コロンブスは何百万人もの先住民族の殺戮の責任者です。
コロンブスはアメリカに侵入してくる前は、アフリカの奴隷商人でした。
彼はアメリカ大陸で奴隷売買を始めました。
彼は何にも値しません。休日にも、パレードにも、彫像にも。
コロンブスの日は、「発見」の意義を祝うものです。今日も続く、インディアンの領土を盗むための法的な過程としての。
コロンブスはアメリカ大陸に、今日も持続されている優位性として
自然環境における優位
異なる信仰・信念に対する優位
男性の女性に対する優位といった
他民族(白人)の優位の哲学を持ち込みました。
AIM(American Indian Movement)のインディアン運動家達は、コロラド州デンバーの「コロンブス・デー」に毎年、同州にあるコロンブスの銅像にバケツで真っ赤な絵の具を浴びせている。
「コロンブスは大西洋を横断した世界初の奴隷商人だ。
コロンブスの前では、アドルフ・ヒトラーはまるでただの不良少年だ」
(AIMスポークスマン ラッセル・ミーンズ)
「殺人者であり、強姦者であり、今日も続く大量虐殺思想の大立者である」
(AIMコロラド支局代表のインディアン グレン・モリス)
「生物学的、技術的、生態学的な侵入は、500年前のコロンブスの不幸な航海から始まった」
(アメリカインディアンの民族運動家、政治家、作家 ウィノナ・ラデューク)
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武器を持たないばかりかそれを知らず
大自然の恵みは『みんなのものだよ』と言ったインディアン
自然環境における傲慢さも、異なる信仰・信念や性差に対する偏見もなかった民族
馬鹿げた「優位の哲学」などとは無縁だったインディアン達の世界観は
今の我々の道標のように思われます