世界最高峰のレース、凱旋門賞(仏ロンシャン、GI、芝2400メートル)が6日、開催される。

昨年2着だったオルフェーヴル(栗東、牡5歳)を管理する池江泰寿調教師(44)は、「歴史的瞬間を目に焼き付けてほしい」と雪辱へ意欲満々。

今年の日本ダービー馬キズナ(栗東・佐々木晶三厩舎、牡3歳)とともに、日本馬初制覇の偉業に挑む。

 ほぼ手中に収めながら、するりとこぼれ落ちた世界一の栄冠。悪夢の2着から1年…。ついにリベンジのときがやってきた。日本最強馬オルフェーヴルが、今度こそ頂点に立つ。


 英国の大手ブックメーカー(公認の賭け請負業者)各社のオッズでオルフェは1番人気。

追い風も吹いた。
2番人気に推されていたドイツ調教馬ノヴェリストがこの日、熱発のため急きょ出走を回避。今年7月に行われた上半期の欧州最強馬決定戦、英GIキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを5馬身差で圧勝し、最大の敵とみられていた。

 池江師は「非常に残念」といいながら「一番大事なのはオルフェが自分に勝つこと。それができれば結果はついてくる」と明言した。
6日の予報は晴れ。馬場状態は「稍重」になる見込みで、「不良」だった昨年より末脚の威力が増す。


 凱旋門賞に日本調教馬が初めて挑戦したのは、1969年のスピードシンボリ。
結果は11着。

しかしスピードシンボリは、帰国後最初のレース有馬記念で6番人気の低評価を覆して勝ち、翌7歳時も宝塚記念と有馬記念に勝った。



これほどの馬でも、凱旋門賞ではまったく歯が立たないのか…。
競馬関係者だけでなくファンの間にも諦めの気持ちが拡がったが、凱旋門賞を勝つ馬を作るため、シンボリ牧場の和田共弘氏が発起人となり、日本ホースメンクラブが結成された。

そのクラブの面々が、海外から種牡馬のパーソロン、ディクタス、ノーザンテーストを購入した。
オルフェーヴルの父系にディクタス、母系にはパーソロン、ノーザンテースト。全ての血が入っている。

「血がギュッと凝縮されている。先人が残した結晶。その馬で再挑戦できるのは、光栄なこと。だから、勝たないといけない使命感があるんです」と池江師は口調を強める。


1999年エルコンドルパサー(2着)、2006年ディープインパクト(3位入線後に失格)、10年ナカヤマフェスタ(2着)、そして昨年のオルフェと、日本馬は近年、あと一歩で栄光を逃してきた


「日本の競馬関係者の執念。全てを背負って、何とか重い扉を開きたい。」池江師



いよいよ今夜、日本時間10月6日の23時です。





C・ルメール騎手
「一番怖いのはトレヴだね。ヴェルメイユ賞が楽勝だったけど、本番ではさらに調子を上げて、100%の状態に持ってくると思う。重量が軽いぶん、(本来の能力から)2ランクくらいアップできるよ」
「近年まれにみるハイレベルな一戦だ。日本馬は2頭ともチャンスはあるが、欧州勢もあっさりと降参することはないだろう」




叶わなかった純愛(オルフェーヴルと池添謙一)






「近代競馬」も開国と同時に伝えられた西洋文化ですが


人間のエゴの極みとも言える競走馬の生産方法には大いに反対です。


先人が残した結晶、血統の凝縮といっても、金の力に拠るところが大きいのが悲しいですね。