皆さん、500ポンド(約227kg)という超ヘビー級の重量でスミスマシンの耐荷重テストを覚えていますか?

このテストでは、マシン本体が見事にクリアしただけでなく、同時に使用したバーベルの驚異的な耐久性も大きな話題となりました。

今回は、その秘密を探るべく、バーベルのプレートを装着する部分(スリーブ)を実際に分解し、耐久性の根拠を徹底的に解剖した動画の内容を、皆さんに詳しくお伝えしましょう。

 

高負荷に耐える秘密は?スリーブ内部を徹底検証

 

スリーブ内部からは、バーベルの性能を決定づける重要なパーツが次々と現れました。

部品名 数量 役割
ニードルベアリング 5個 高い耐荷重と滑らかな回転を担う最重要部品
C型ワッシャー 2個 部品を固定する、部品の回転を助ける
スペーサー 1個 部品を所定の位置に固定するロック機能
ウェーブワッシャー 2個 部品間の遊びを吸収し、テンションを保つ
スナップリング 3個 部品の位置決めと脱落防止
エンドキャップ 1個 スリーブの端を密閉し、内部を保護

このバーベルは片側のスリーブだけで5個ものニードルベアリングを使用しており、両側を合わせると合計10個のベアリングが搭載されていることが判明しました。

この「合計10個」という数は、一般的なバーベルと比較しても非常に多く、このバーベルの高耐久性とスムーズな回転性能の秘密がここに隠されていました。

 

「ニードルベアリング」VS「ボールベアリング」

 

バーベルのベアリングには、主に「ボールベアリング」と「ニードルベアリング」の2種類が使われます。

  ボールベアリング ニードルベアリング
転動体 ボール(球状) 長く細い円筒形のローラー(針状)
接触面積 点接触 線接触(ローラーの側面全体が接触)
耐荷重 耐荷重が普通 非常に高い

ニードルベアリングは、その形状からバーベルのシャフトとスリーブに対してより広い面積(線)で接触します。

これにより、ボールベアリングの「点接触」に比べて負荷を分散させることができ、なんと2倍から8倍もの高負荷に耐えることができるのです。

特に、高重量を扱うスクワットやデッドリフトといった種目では、このニードルベアリングの極めて滑らかな回転と高い耐久性が、摩耗を最小限に抑え、トレーニング効率を劇的に高めてくれます。

 

高負荷トレーニングに必須の「堅牢な設計」

このバーベルは、単に頑丈なだけでなく、合計10個のニードルベアリングという堅牢な内部設計によって、ヘビーウェイトでも非常にスムーズな回転を実現しています。

このバーベルは「日常的なトレーニング、競技会での使用」など、あらゆるレベルと環境で最高のパフォーマンスを発揮できるよう設計されています。

 

真の耐久性は「素材」に宿る~鍵を握る引張強度(PSI)

バーベルの耐久性を高めているのは、ニードルベアリングという堅牢な内部設計が大きな役割を果たしているのは間違いありません。しかし、高負荷に耐え、曲がりにくい真の強度は、バーベルの素材そのものに宿っています。

それが、バーベルの耐久性を測る最重要指標の一つ、引張強度(Tensile Strength)です。

 

鋼材の「引張強度(PSI)」とは?

引張強度とは、バーベルの鋼材がどれだけの力(PSI: ポンド/平方インチ)に耐えてから破断するかを示す数値です。この数値が高いほど、バーベルは「曲がり」に対して強くなります。

しかし、単に数値が高ければ良いというわけではありません。

  • 190kPSI未満: 素材が柔らかすぎて、高重量で曲がったまま戻らない「永久変形」を起こしやすくなります。
  • 240kPSI超: 強度は高いものの、硬くなりすぎて靭性(粘り強さ)が低下し、衝撃に対して「もろく」なるリスクがあります。

研究やテストによりますと、バーベルの耐久性は190,000 PSIから240,000 PSIの範囲にある時に、強度と靭性のバランスが最も良くなるとされています。

 

 

そして、今回分解したこのバーベルの引張強度は、まさに耐久性のスイートスポットである190kPSIを採用しています。

この「190kPSIの曲がりにくい強靭な鋼材」と「合計10個のニードルベアリングによる滑らかな内部構造」という二重の設計思想こそが、このバーベルが高負荷テストをクリアし、プロレベルのトレーニングにも対応できる秘密なのです。

バーベルの選びに迷ったら、ぜひ「ニードルベアリングの数」と「耐久性」をチェックしてみてください。あなたのトレーニングを次のレベルへ押し上げてくれるはずです。

本記事は、以下の記事を参考に作成しました。 元記事:【徹底解剖】190kPSI鋼材と10個のベアリングが支える競技用バーベルシャフトの耐荷重の秘密