今にして思えば
明らかに脳卒中の症状だったのだ
それでもわたしは
父は大丈夫、大したことない
そう思いたかっただけかもしれない
病院に到着
すぐにCT検査
大丈夫、大丈夫、なんともないよ
看護師さんが私たちを呼ぶ
『診察室へお入りください』
先生らしき男の人
趣味は筋トレとか言いそうな
ガッチリしてて
格闘家みたいな
ちょいコワモテな人
だけど
そんな見た目と裏腹に
目は少し充血していた
『先生疲れてんな』
って思った
すごくすごく丁寧に
優しい口調で言葉を選んで話し出す先生
『この、CT、見てもらうとわかると思うんだけど、
このね、白く見えるのが出血の部分』
『頭の中の出血が、全体の○割以下なら血を抜いてとか、いろいろ処置をしていくんだけど、
お父さんの場合、頭の中全体に出血が、まわってしまったんだ、、、おそらくいちばん太い血管が切れちゃったのかな、、、、もう少し、、最小限の、出血ならどうにか助けられたんだ、、、、、だけど、、、、ごめんね、、ここまでまわってしまうと、、、助けてあげられない、、』
????は?
言ってる意味わかんない
わたし『呼吸してますけど、まだ死んでないし、体あったかいし、、、』
先生『そうだね、、、生きてるね、、、だけど、脳がね、、、ダメージ受けてて、おそらく目が開くこともないし、話すことも、できない、今は自力で呼吸できてるけど、、、この出血だと、いつ呼吸が止まってもおかしくないんだ、、だから、お父さんを、、、助けてあげられない、、』
やっと気がついた
疲れて目が充血してるんじゃないんだ
ここまで話し終えて
涙を溜めて
堪えていたのは
わたしではなく
格闘家みたいな大柄の
先生のほうだった