📈 実験内容
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水酸化ナトリウム水溶液 20 cm³ に 塩酸(A〜C cm³) を加え、
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混合後に水分を蒸発させ、その 残った固体の重さをグラフに記録。
グラフの典型的な形(中和実験)から、いくつかの体積での沈殿残留物(固体の中身)を推定します。
🧪 中和と生成物
中和反応は次の通りです:
NaOH + HCl → NaCl(固体) + H₂O
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塩化ナトリウム(NaCl):完全中和したときに生成
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水酸化ナトリウム(余り分):NaOHが過剰なら残る
該当の問いに対する具体的解答
問1:塩酸 5 cm³ 加えたとき
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仮に NaOH 濃度を 0.1 mol/L とすると、20 cm³には 0.002 mol NaOH が含まれます。
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5 cm³の塩酸も同じ濃度とすると、0.0005 mol HCl が反応。
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反応に使われる NaOH = 0.0005 mol
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→ 余りの NaOH = 0.002 − 0.0005 = 0.0015 mol
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中和で生成する NaCl = 0.0005 mol
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質量換算(NaCl=58.5 g/mol):
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NaCl:0.0005 × 58.5 = 0.029 g
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NaOH:0.0015 × 40.0 = 0.060 g
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答え:NaClは約0.029 g,NaOHは約0.060 g
問2:塩酸 15 cm³ 加えたとき
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HCl 0.0015 mol、NaOH 0.002 mol → NaOHがすべて反応し、 HClが0.0005 mol余る(酸性余り)
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反応に使われた HCl = 0.002 mol と仮定ミス…正確には NaOH 全量、つまり 0.002 mol の HCl が必要 → HCl 過剰
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→ 残留する固体は NaCl のみ(生成量 = 0.002 mol)
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質量換算:0.002 × 58.5 = 0.117 g
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NaOH残留なし
答え:NaClは約0.117 g,NaOHは0 g
問3:異なる混合パターン
① HCl 1 cm³、NaOH 4 cm³
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HCl:0.0001 mol、NaOH:0.0004 mol
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反応後 NaOH 過剰 0.0003 mol → 残留 0.0003 mol NaOH、NaCl は 0.0001 mol
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NaCl=0.0001×58.5=0.00585 g
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NaOH=0.0003×40.0=0.0120 g
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② HCl 9 cm³、NaOH 12 cm³
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HCl:0.0009 mol、NaOH:0.00012 mol?
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12 cm³なら0.0012 mol
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→ NaOH 全量反応、HCl 過剰 0.0003 mol → 固体は NaCl のみ(0.0012 mol)
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NaCl=0.0012×58.5=0.0702 g
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NaOH=0 g
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⏺ まとめ表
条件 | NaCl(g) | NaOH(g) |
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塩酸5 cm³ | 0.029 | 0.060 |
塩酸15 cm³ | 0.117 | 0 |
HCl1 cm³ + NaOH4 cm³ | 0.0059 | 0.0120 |
HCl9 cm³ + NaOH12 cm³ | 0.0702 | 0 |
※塩酸・水酸化ナトリウム両溶液の濃度が 0.1 mol/L と仮定しました。
🎥 解説動画
「中学受験 理科 中和② グラフ読み取りと残留物計算」
理数個別チャンネル:https://youtu.be/zoeh7hUBwQU
→ 上記の考え方を丁寧にまとめています。
💡 最後に…
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固体残留の重さから「どれだけ中和されたか」だけでなく「どれだけ過剰か」も読み解けます。
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このタイプの問題は、グラフ活用とモル計算がポイント。
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受験に頻出なので、しっかりマスターしましょう!
具体的なグラフ数値があれば、さらに正確に解くことも可能です。いつでも教えてくださいね😊