R+T 作品の棚 -29ページ目

日記帳


日記帳




今年の春は 白かった

気付けば何も書いてない

うっすら瞼

うつらうつらと

うつつを行って

帰って

行って

帰って



今年の夏は 白かった

覚えているさ

少ないから

まるで 昨日のことのように

ひねもす

暇が明るくなるのを

ゆらり ゆらゆら

椅子の上



今年の秋は 白かった

隙間を知らない 本の壁

埃を

ふうと

ふき飛ばす

窓から四角いスポットライト

舞って 踊って

また降り積もる



今年の冬は 白かった

ふかふか ふかぶか

雪をかぶって

歌声さえも 吸い込む真白

溜息ばかりが

決まりきって 仰々しい 

気付けば何も

書いてない