話し合いをしました。
一姫は学校をやめる、と言い張っています。
その原因のひとつは、学校での中傷や、噂の類でした。
実はそれは、入学直後から続いており、それを相談できないようなどうしようもない家庭環境を作ってきたのはほかならない私でした。
両親が話もほとんどせず、父親からは母親とやっていけない、離婚も考えている、と言われた一姫。

私はどうしようもないことをどうやらしてきてしまったようです。

謝る私に
もうそのことはいい、遅すぎてどうにもならないことが世の中にはある。
と言い放つ一姫。

私には意見する権利もないと思ったので、とにかくお父さんの言うことを聞いて、とだけ言いました。お父さんが一姫のことを誰より考えてくれているから、と。

今日のところは学校は続けていけない、その後のことは編入する学校の見学などをしてから考える、というところで終わりました。

その後、カニ男と私たちのことについて少しだけ話しました。
カニ男は、一姫と同じような考えで、もう遅い、取り戻せない。子どもの気持ちと夫婦関係は関係ない、と言いはります。
私は子供にとって両親の仲がどんなに大切か、と押し付けないように説明したのですが、頑なでした。
両親としての役目はお互い果たさなくてはならないが、夫婦関係を修復するつもりはない、と。

ただ、二太郎が高校に入るまではこのまま暮らすつもりだ、と言います。

それは私にとって猶予なのか、より苦しい時間になるのか、わかりません。

今はまだうまく考えられません。
これからどうしていけばよいのか。
でも、日々の暮らしは進んでいきます。

消えてしまいたい、誰にも迷惑かけずに。
いなくなってしまうことができたら。
逃げ出したい。でも、自分から逃げることはできない。絶対に。