りさぽん
⚠️死の表現あり。。。
いまでも鮮明に思い出すことができる君の笑顔。
もう直接伝えることはできない。。。
でもそんないまだからこそ言える。"大好きだよ"。
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初めての出会いは合格発表。
桜が花を満開につける準備をしているまだ寒い3月のあの日。。。
「いち··きゅう···きゅう····」
貼り出されている番号の中に自分の番号を探す。。
「あっ、あった…!」
真ん中の右斜め下の辺り。そこに私の番号が載っていた。思わず漏れでる喜びの声。
四方八方からも喜びの声が聞こえてくる。
そのなかに一際目だって聞こえる声があった。
視線を向けたこのときには私はすでにもう君に心が惹かれていたのかもしれない。
目に写ったのは君と数人が手を繋ぎ喜びあう姿。皆同じ服。ネクタイ。スカート。靴。でも、違うものが1つ。""笑顔""。たった1つ。それだけ。
そのたった1つの違いが私の心を惹き付けた。。。
ここにいる人全員を包み込むようなやさしい笑顔。やさしい瞳。例えるなら、真っ白い花。誰もが目をひくような美しい花。そんな、咲いているという表現がよく似合う""笑顔""。
君の笑顔に目を奪われていると、ふいに目が合った。
「……///」
私に向かってニコッと微笑みかける君。
5分にも満たないほんの少しの時間で君は私の心を盗んだ。
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「もう3年も前になるのか…」
卒業式が終わったあとの教室でぽつりと声をもらした。
『なーにが!』
後ろから大好きな人の声。
「りさっ!んーん、なんでもないよ」
『そ?でも今日で最後か~』
「すっごい一瞬だったね」
『あんなに早く終わらないかなって思ってたのにいざ終わるってなると寂しいね。』
「だね~。あんなにうざかった○○先生ももう会わないって考えると感慨深いね」
『たしかに』
お互いに笑いあったあと、少しの静寂がながれた。
「私たち……また会える…よね、?」
不安で震える声。隠すように笑みを繕った。
でもそんなこと君には通用しないみたいで。。。
『な~に不安になってるの、当たり前でしょ?』
そう言って大好きな笑顔を私に向ける君。
「えへへへ。うん!!」
『帰ろっか!』
そう言って手を指し伸ばしてくれる君。
「うんっ!帰る!」
「ここでバイバイするのも今日で最後だね、」
いつもと同じ分かれる道。
同じはずなのに、今日は一段ときれいな夕日が君を照らす。
今しかない……。
「ね、ねぇ」
『んー?』
「いきなりで、、ごめんだけど、、」
自分でも顔が赤くなっているのがわかるほどに熱くなる。
「わたしっ…『ちょっとまって!』
遮られたことにびっくりし、理佐を見ると。。
「え…っ…」
夕日のせいなのか。。理佐の顔がいつも以上に赤く見える。
『遮ってごめん…!でも、私から言わせてほしい。』
ドキッ、と胸が高鳴る。
『由依。ずっと大好きでした。よかったら、私とお付き合いしていただけませんか。』
うれしさから、涙が溢れだしてくる。
「ぅぅっっ…はいっ!…ぐすっ…私もっ!」
『うぉっとっ、急に抱きついたらあぶないよ笑』
「3年間越しにやっと付き合えたんだもんっ」
『えっ!そんなに好きでいてくれてたの』
「気づいてなかったんだぁー」
『ねぇっ!いつから!きっかけは!』
「んんぅぅっ!うるさいっ…//おしえないからっ!」
抱きついていた理佐を軽く押しだし少し距離をとる。
『えぇー、ケチー』
「ケチでもいいですー」
『ねぇ…』
「ふぇっ!?」
ついさっきまで手を伸ばしても届かない場所に立っていたはずの理佐が、気がつけば私に抱きついている。
『ねぇ、いつからなの?』
耳元でしゃべるからくすぐったくも、恥ずかしくも感じる。
「もぉ、ちかい…//」
『ねぇ…?』
「もうっ!わかったから!言うから!!はなれて…//」
『よしっ!』
「はぁ……、合……表……とき…よ…//」
『ん?ごめん、聞こえなかった笑』
「もぉぉぉっっ!!だから!合格発表のとき…//!!」
『えっ!!合格発表のときあってるの!?』
「んーん、笑いかれられて一方的に惚れただけ…です…//」
『あっ!!!おもいだしたかも!!』
「…!!!!思い出さないでいい!!」
『あのときのかわいい子、由依だったのか』
(かわいいっておもってくれてたんだ…うれしい…)
『あのときずっとみてきてたもんね笑』
「そ、そんなことない!」
『笑いかけたら顔真っ赤にしてかわいかったなぁ~』
「うるさいっうるさいっ…// 早く帰ろ…!!」
『はいはい笑笑 送ってくよ』
「え?だいじょうぶだよ?遅くなっちゃうし」
『もう私は由依の彼女なんだから、送らして?』
(そっか…もう彼女なんだ…っっ)
「…うん//」
『ん!』
理佐が手をさしだしてきた。
「ん?」
『だから!んっ!』
「んん?なに?」
『はぁぁぁぁ…』
何故かため息をついている理佐。
なんだろう?と首を傾げていると理佐が私の手に手を絡めてきた。
「ね、ねえ、これ、はずかしいんだけど、、//」
ニヤニヤしている理佐。
「ふつうにつなごうよぉ…//」
『いや、恋人なんだから恋人繋ぎでしょ』
恋人になったんだからこれくらい馴れてもらわないと、なんて楽しそうにケラケラ笑いながら私の手を引いて歩いてくれる。
いつもは長く感じる家までの道のりも理佐とならあっという間で。。
『はいっ!ついたよっ!』
「え、もうっ?はやぁい…」
(まだ一緒にいたいなぁ…)
『んふふ、まだ一緒に居たいって顔してるね笑
明日からお休みだしさぁ~?』
「お休み…?あっ!!デート!!??」
『そうだね笑』
デートに行ける喜びから心の中でガッツポーズを取る。
と、理佐を見るとにやっとなんだか不敵な笑みを浮かべている。
『でも、私まだ由依から好きって言ってもらえてないんだよな~』
「えっ…」
思い返してみれば、たしかに言っていない…
でも…、
「言わなきゃ…だめ…?」
いざ言うとなると、恥ずかしさから自分でもわかるほどに顔が赤くなっているのが全身に伝わる。
『気持ちは伝わったんだけどねぇ~、言葉でも欲しい』
そんなこと言われたら私に断ることなんて出来なくて…
たった2文字の言葉を言うだけなのに心臓がどくどく速く脈を打つ。
「ふぅ…」
ゆっくり深呼吸し、心を決める。
"すき"
そう言ったつもりだった。
だが、口から出ようとしたその言葉は勢いを失い、声になることはなかった。
私を見つめる理佐があまりにも綺麗すぎたのだ。
「あ……え、…あ、、っ」
身体が変にこわばり、いつものように声をだすことができない。
『由依?だいじょうぶ?笑』
心配そうに私を見つめながら首をかしげ、微笑みを浮かべる理佐。
なぜだろう。じぶんでもわからない。なぜか私の頬を涙が伝った。
『ゆ、ゆい…!?』
私をぎゅっと包み込み頭を撫でながら涙を拭ってくれる。
『ごめんごめん、意地悪しすぎちゃったね』
こんな私にも優しい理佐と、たった2文字の大切な言葉も言えない私。
不釣り合い。あなたの隣が似合わない。そんな自分に悔しさが汲み上がってくる。思わずぐっ、と唇を噛み締めると。
『ほぉーら、そんな風に唇ぎゅってしないの』
なんてムニムニ頬っぺたを摘まみながら笑いかけてくれる。
『明日いつものところ待ち合わせにしよっか』
「デートしてくれるの…?」
『ん?当たり前でしょ?私だってしたいし』
「でも…私…」
『そんなに気にしてるなら明日伝えて?』
「ごめん、ありがと」
『んーん、私のわがままだから笑』
私の性格を分かっていて、気負わないようにそんなことを言ってくれる。
『じゃっ、また明日ね』
「…//」
不意打ちで私にキスをして、悪がきの様な笑顔を見せながら見えなくなるまでずっと手を振り続けてくれた。
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しかし、その"明日"は望んでいないかたちで訪れた。。
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「ふゎぁぁ…ねむたい…」
ウゥーー、カンカンカン、ウゥーー
「んん…なんだか賑やかだなぁ…あしたデートだからはやくねなきゃ…」
📱「りさ、おやすみっ」
………………
ピピピッ…ピピピッ…
「んんーーー!!あれ、まだりさから返信きてない…」
📱「おはよぉー、りさおきてるー?」
「とりあえず用意しよぉ」
……………
プルルル…プルルル…………プー、プー……
「あれ…電話にもでない…」
なんだかいやな予感がしつつも、まだ起きてないだけ、スマホの充電きれちゃってるだけ、、なんて自分を無理やりにでも納得させる。
「理佐のお家まで迎えにいこう…」
と、お家を出ようとした途端にインターホンが鳴った。
覗き穴から外を見ると、理佐の幼馴染みのまなかが立っていた。
「まなか、どうしたの?」
まなか「説明は後!とにかく来て!」
「ちょっと、!」
私はなにがなにか分からないまま、まなかに手を引かれ走った。
「はぁ…はぁ…まなかどうしたの…はぁ…」
まなか「見ないと信じてもらえないかと思って」
「っっ…!!」
まなかの指指した方向を見ると、身に覚えのある家が悲惨な姿をしていた。
柱や壁は黒くなり、ところどころ壁が剥がれ落ち、まるで廃墟のような姿の建物。
そして、それは紛れもなく理佐のお家だった。
「っ…はっ…はぁっ…ひゅっ…はーっ…」
息が上手に出来ない。
まなか「ゆい、落ち着いて、深呼吸して」
すーはーすーはー、と隣で落ち着いた呼吸を促してくれる。
「…はぁ…はーっ…‥ふーっ…ふぅ…」
まなか「落ち着いた…?」
「…うん…ごめん、ありがと」
まなか「んーん、だいじょうぶだよ」
ふぅ…っと一息つき、いちばん大事なことを。。
「ねぇ、まなか、、理佐は…?」
まなか「…」
なにも言わずに首を横にふる。
「うそっ……っっ…」
まなか「うそであってほしいけど…」
理佐が死んだ…?
目の前が徐々に暗闇に埋め尽くされる。
「うそだ……ねぇ…!まなか!うそだよね?ねぇ?」
倒れそうになりながらも必死にまなかにしがみつく。
まなか「…うそじゃないんだ…」
「いやだっ!うそだっ!」
はっ、っと昨日の夜を思い出す。
何台もの消防車や救急車がサイレンを鳴らしながら家の近くを通りすぎていたことを。そして、今目の前に広がっている光景。
その全てが理佐がもうこの世にはいないことを示していた。。
「ぐすっ…なんで…きょうデートしよって…ぐすっ…まだ好きも伝えられてないのに…」
まなか「ゆい…」
そっと抱きしめてくれるまなか。
「なんでっ…なんで…理佐がっ……ぐすっ…」
まなか「思う存分泣きなぁ」
「ぐすっ…うわぁぁぁん……りさっ…りさぁぁぁ…」
……………………………………
それから私の世界は煌めきを失った。
理佐の居ない日々は淡白で、ただただ流れていくだけの毎日となっていた。学校もおわり外に出る必要もなくずっと家にいる毎日。
家族ぐるみで付き合いのあったまなかの親御さんが渡邉家のお葬式を開いてくれた。久しぶりに出た外はあの日の肌寒さを一切感じないほどにぽかぽかしていた。
その夜、久しぶりに夢を見た。
懐かしい景色。
夕日があなたを綺麗に照らすあの景色。
そして、あなたはあの時と同じことを言う。
『でも、私まだ由依から好きって言ってもらえてないんだよな~』
あの時は言えなかったこの言葉。
今だから言える。やっとあなたに伝えられる。
「…理佐、大好きだよ」
そんなに暗いお話になりませんでした笑
春紫苑αと少し台詞がかわってるところあります。