まったく知らない方にもわかるよう

原作者ルイス・キャロルとアリスの物語について

今更ですがまとめてみましたアリス

基本の内容です時計うさぎ



★『不思議の国のアリス』入門


一般に“不思議の国のアリス”とまとめて呼ばれていますが

『不思議の国のアリス』と続編の『鏡の国のアリス』という

2冊の本のことを指します。

19世紀イギリスで書かれたファンタジー作品です。




私が所有する19世紀のアリス本
左が『不思議の国のアリス』(1885年)、右が『鏡の国のアリス』(1878年)





有名な『不思議の国のアリス』(1865年出版)は

時計を持った白ウサギを追ってウサギ穴に落ち

7歳のアリスがトランプの王国である不思議の国

冒険するお話で

チェシャ猫帽子屋ハートの女王などが登場します。




『不思議の国のアリス』の物語が一目でわかるポストカード



続編の『鏡の国のアリス』(1871年出版)は

子猫と空想遊びをしていたアリスが

鏡を通り抜けて鏡の国で自らチェスの駒になり冒険するお話で

双子のダムとディー、ハンプティ・ダンプティなどが登場します。




『鏡の国のアリス』の物語が一目でわかるポストカード



作者のルイス・キャロル(1832~1898)は

本名をチャールズ・ラトウィッジ・ドジソンといい

イギリスのオックスフォード大学の数学教師でした。

チェシャ州ダーズベリ出身で

牧師の長男(11人兄弟の3番目)です。

(※作中に出てくる「チェシャ猫」とはチェシャ州の猫のこと)




右のポストカードが20代後半のルイス・キャロル、
左は写真家キャロルの写真集(表紙の少女はアリス・リデル)






彼は数学の分野で素晴らしい才能を持っていましたが

幼少期から詩や物語の創作が得意でした。

子ども好きで知られ※ロリコンという意味ではない!

言葉遊びなどでユーモラスに周囲を楽しませる人でした。

また、彼は19世紀の優れた写真家の1人でもあり

仲の良い子どもたちの写真だけでなく

作家、舞台俳優など著名人や風景の写真も多数のこしています。




『地下の国のアリス』の複製本。
右は日本語版(『不思議の国のアリス・オリジナル』書籍情報社)。
(左の英語版の表紙の少女がアリス・リデル)





キャロルは1862年の夏

友人とリデル3姉妹(オックスフォード大学の学寮長の娘たち)と

5人で川へピクニックに出掛けた際、ボートの上で

リデル家の次女アリス(10歳)を主人公にした物語を

即興で作ってみんなを楽しませました。

それが『不思議の国のアリス』の物語の原型です。

それを手書きしアリスに贈ったものは『地下の国のアリス』

と呼ばれ、世界に1冊だけの非常に貴重な本です。

(大英博物館に収蔵されている。複製版は1886年出版)



アリスの物語に関連するオックスフォードの名所を案内したポストカード



アリスの物語の中には

キャロルとアリスの思い出の場所や生活風景が

ファンタジー化されてたくさん描かれています。

作中に出てくるドードーという鳥はキャロル本人とされています。

幼いアリスの冒険物語は2人の思い出の物語でもあるのです。




左『子ども部屋のアリス』英語版、中央『スナーク狩り』英語版、
右上『ルイス・キャロル詩集』(ちくま文庫)、
右下『シルヴィーとブルーノ』(ちくま文庫)




キャロルのその他の著書には

本名で書いた数学の専門書

長編ナンセンス詩『スナーク狩り』(1876年出版)、

妖精の物語『シルヴィーとブルーノ』(1889年出版)、

0~5歳向けにアリスの物語を書き直した

『子ども部屋のアリス』(1889年出版)などがあります。




昔イギリスで撮ってきた写真
(キャロルの肖像画、オックスフォード大学、キャロルのお墓)




1898年1月、キャロルは66歳の誕生日を目前に

ギルフォード(ロンドンから約50km)の妹の家で亡くなり(肺炎)

その町に今も眠っています。




さらに詳しく・・・

☆『子ども部屋のアリス』への想い(2015.9.8の記事)

☆『不思議の国のアリス』誕生のお話(2016.7.4の記事)

☆『鏡の国のアリス』誕生のお話(2017.7.5の記事)