人材紹介会社(転職エージェント)の使い方
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非公開求人って何?③

求人を会社名非公開で取り扱う「求人企業側の都合」とはなんでしょうか。


いくつか理由があるのですが、最も大きな理由は

「人材紹介会社による応募者のスクリーニング(選別)」です。


公開求人の場合、誰でも応募できるので、企業の欲しい層から大きく離れた人からの書類が集まってしまい、その処理に大変なことになってしまいます。

経験が大きく足りなかったり、逆にオーバースペックだったりと。


また、今は色々な法律があって「性別」や「年齢」による採用の差別を行っていけないことになっています。


ただ、実態はそうではありません。


これはどんなに社会的な企業であったとしても変わりません。

「建前」上は適法な求人の出し方をしていますが

「本音」は年齢ターゲットと性別ニーズをしっかりと持っているのです。



人材紹介会社はそのクッションと網になるのです。


もしターゲットから外れた人から人材紹介会社に問い合わせがあった場合、

「○○の理由により残念ながら応募できません」

と、なんとか言い繕って応募を跳ね返してしまうのです。


求人企業としては、自分の会社の名前を知られていないのですから、

応募できなかった人からイチャモンを付けられる心配はありません。


また、本音のニーズを紹介会社に伝えることにより、人材紹介会社はそのニーズに会った人をとことん口説き落として応募まで引っ張ってくることもできるのです。


「先方のニーズとあなたのキャリアが凄くマッチングしていますので、とりあえず話だけでもきいてみませんか?」

なんていうスカウト行為ですね。


特にベンチャー企業なんかでは、大企業と比べて公開求人サイトや企業HPだけでは求職者に興味を持ってもらうのは難しく、会社の広告塔として人材紹介会社を使えたりするのです。



ここまでをまとめると、

「非公開求人」っていうのは、人材紹介会社が求人企業の採用ニーズを、そのニーズに合った人にだけとことん詳しく説明し、ニーズに合わない人には教えないとい特徴を持ち、人材紹介会社がしっかりと仲介役としてのマージンをゲットできる仕組みのことなのです。


求職者にとっては自分にマッチングしない求人情報を切り捨てられるという主体的選別ではなく、自分が受かりそうな求人しか教えてくれないという受動的選択になるのが少し不満でしょうけども・・・。




次回は人材紹介会社の業務フローについてご説明します。

非公開求人って何?②

先日の続きですが、そもそも「会社名非公開」で求人を扱う理由はどこにあるのでしょうか。

求人を探している人にとっては、非常に不親切な仕組みです。


①人材紹介会社の都合

②求人企業の都合


この二つに分けて見て行きましょう。



まず「①人材紹介会社の都合」です。


人材紹介会社のほとんどが登録者からは一切手数料をもらわず、求人企業から「完全成功報酬型」の手数料形態で収益を得ています。

完全成功報酬型とは、求人をもらう時には一切金銭のやり取りはなく、紹介した人が採用されて入社しない限り、人材紹会社には1円たりともお金が入ってこない仕組みのことです。


登録者の悩みやキャリア相談をするのはもちろんタダ。

企業に対しても、どのような人を求めているのかをしっかりヒアリングし、求人企業のことを登録者に必死にPRし、応募意思をもらって推薦したとしても、採用が決まらないとこれもタダ働きです。


仮に会社名公開で人材紹介会社のHPにもらってきた求人をのせてしまったとしましょう。

おそらく、ライバル会社が「うちも手伝います」と求人企業にアプローチを掛けてくるでしょう。

そうなると、他社経由で求人が決定してしまうというリスクが生じてしまいます。

また、求人の存在を知り、人材紹介会社を使わずに、直接応募をしてしまう人も出てきてしまうかもしれません。


つまり、人材紹介会社としては

「この求人、どこの会社かはうちに登録してくれない限り見せませんけども、魅力的な求人じゃないですか?」

というメッセージを投げるしかないのです。


これが会社名非公開で求人を扱う「人材紹介会社の都合」なのです。


でも、登録だけしておいて求人企業の内容を教えてもらい、他の紹介会社経由で受けたり、直接応募したりする「抜け道」もあるんですけどね。

倫理的にあまりよろしくないですけど・・・。


次回は求人企業側の都合です。

非公開求人って何?①

いきなりですが、みなさんは転職をしようと思うとき、どこで情報を集めますか?


①ハローワーク

②求人雑誌

③新聞広告

④インターネット


恐らく、私のブログを見ていただいている訳ですから、「④を先ず見てみる」という方がほとんどでしょう。


その際、「求人」や「転職」なんていうワードで検索をかけてみると、


Ⅰ:求人が集まっているサイト

Ⅱ:企業HPの採用情報


等がヒットするかもしれません。

無数にある企業のHPをいちいちチェックしていくのは面倒ですし、そもそもみなさんが知らない企業は世の中にたくさんあります。


まずは「Ⅰ:求人が集まっているサイト」で多くの情報量を手にしたいですよね。


しかし


とあるサイトを開いてみると、求人数は無数にあるのですが、職務内容や応募条件だけが記載してあり、肝心の企業名が「非公開」なんていうふざけた情報が載っています。


なんだこれは・・・


そうです。

これがCMで世間一般の認知度を得た「人材紹介会社の取り扱う非公開求人」というものです。


「企業名もわからずに応募なんてできるか!!」


ごもっともです。


しかしながら、転職市場に出回る求人数のうち、この「非公開求人」の割合は日を追う毎に増してきています。

おやおや、これはどうやら無視できない世界のようですぞ。(続く)