今夜は眠れそうにないよ
流れ星を見たときみたいに興奮するんだ
明日僕は船に乗って旅立つ
この街と決別するんだ

持っていくもの
置いていくもの
ちゃんと区別したつもりだけど
自信はないんだ
でもやらなくちゃね

何の不安もないけど
君は明日見送りに来てくれるかな
それだけが心配だ

この街を出れば
全部過去になる
思い出になってしまうんだ
君も思い出になるのかな
そうはさせないよ
僕は必ず迎えに来るから

あれから何年たったかな
もしかしたら君は
僕の代わりを見つけてしまったのかもしれない
でも何一つ変わらない街並みが
僕を安心させるんだ

今夜は眠れそうにないよ
君と初めて迎えた朝みたいに興奮するんだ
明日僕は君に会う
一番始めになんて言おうか

今夜は眠れそうにないよ
君と過ごした日々を思い出すんだ

今夜は眠れそうにないよ
だって隣に君がいないんだから



sub.

退屈だ
波が来たら乗っちまおう
波に乗ってれば僕は自由
波の一部なんだ

僕の日常は至ってシンプルで
他になにかが入り込む余地は無いんだ
仕事もそこそこに
僕は波乗りに出掛ける
君は止めるけど
だって仕方ないじゃないか
波は僕の一部なんだ

照りつける太陽に
鉄板の上のような砂浜
お気に入りの曲を口ずさんで
僕は波に飛び込む
このまま時間が過ぎて
波の中で死んだとしても
悪くはないね
周りの奴らはバカにするけど
僕には分かってた
これが正しいんだってことが

退屈だ
波が来たら乗っちまおう
僕はいつもよりカッコをつけるんだ
砂浜には君がいる
君に言わせれば僕は人間失格だろうね
でも待って
この大きな波に乗れさえすれば
僕は…



sub.

僕が僕だった頃の思い出に浸る
いつの間にか刷り込まれて
斜に構えて
変わってしまったねと
君が言う
僕が僕で在るためには
それはとても大変なことで
僕にはそれが出来なかった
がっかりさせたなら謝るよ
君には理解出来ないだろうね
無理ないよ
だって君は僕じゃない

僕が僕だった頃の思い出に浸る
僕が好きだったもの
今は無くしたけど
代わりに手に入れたものは
全てを無くしても
それに値すると思える
何かだった

よく分からないけど
間違えたのかな
でもそれは失敗じゃないよね

僕が僕だった頃の思い出に浸るのはもう止めよう
僕には似合わないよ
今日は天気が良い
こんな日は散歩にでも出掛けようか



sub.