リオ オリンピック2016 ボランティア奮闘記

リオ オリンピック2016 ボランティア奮闘記

地球の裏側で行われるリオオリンピックに、ボランティア参加している日本人の日々是日記

Amebaでブログを始めよう!

こんにちは、オリンピックジャンキーです。

 

3週間のリオ滞在を終えて、ロンドンの自宅に昨日戻ってきました。なんだかいろいろあって、あっという間の3週間。別世界に放り込まれた不思議な体験でした。たぶんリオという何とも魅力的な街と、そこに暮らすとっても人間らしいカリオカたちのおかげです。また心配されていた治安も、あれだけ軍隊と警察が動員されていれば大丈夫です。おかげで安心して街を歩けました。

 

今回のボランティアでは東京外国語大学の学生たちも20人ぐらい参加しました。彼らにとってもとても貴重な経験だったと思います。日本での新卒一斉採用という硬直したシステムのおかげで、若い人たちの選択肢が狭まってしまうのは非常に悲しいことだと思っています。オリンピックを当事者として経験した多感な若者が、将来のオプションを広く考えてくれるようになれば何よりです。

 

 

閉会式は宿舎の部屋でボランティアの友人たちとテレビで楽しみました。会場に行きたかったんですが、残ったチケットが高すぎて残念。それでも色彩と、ブラジルのリズムであふれた素晴らしいセレモニーだったと思います。日本コーナーに至っては、完全にブラジル、そして世界をあっと言わせた内容です。イギリスの放送局BBCや有力紙テレグラフ、大衆紙デーリーメールももろ手を挙げて称賛。東京2020への期待感をあおってました。安倍マリオの演出は完璧です。あのように普通はくそまじめな首相が、ユーモアにあふれた登場をしたのは大きな驚きです。英国人の感性をついたんでしょうね。音楽が中田ヤスタカ、振付がMIKIKOですから、2020年の本番はPerfumeの出番を期待しましょう。

 

 

確かに今回の大会はインフラや運営の面でいろいろな問題も見えました。何しろ目的地にたどり着くのが非常に大変な国なんです。分かり易い表示がないので、人に聞かないとダメです。ところが英語がほとんど通じないのは困りました。東京大会では特に日本語がわからない海外からのお客さんが問題なく移動できる環境を整えなければいけないでしょう。日本の公共交通機関は非常に発達して便利ですが、分かっている日本人だけには便利のなです。あれだけ複雑では頭が真っ白になってしまいます。運賃体系や支払いも含めてより分かり易いように改善しなければいけないでしょう。

 

結構問題視している日本人の英語能力ですが、私は非常にシンプルに考えてます。はっきり言って日本人の基本的英語能力・知識は、過去二回のオリンピック開催国に比べてば格段に上です。問題は話す機会が少ないので慣れていない。また間違いをするのが恥ずかしい、といった理由によるものです。日本人は自分がやらなければいけない状況になれば、必ず努力して一定の結果を出せる類まれな民族なんです。話す機会を作り、勇気を出して行動する機会をどう作ってゆくか。英語教育に携わるものとして、これから考えていきたいと思ってます。

 

ボランティアのモーティベ―ションを維持することはとても重要なことです。今回は残念ながらボランティアの配置に問題があり、忙しい人と暇な人とのギャップが多かったように思えます。必然的に現場のマネジャーに負荷がかかりすぎて、回り切れなかった印象があります。マネジャーたちもまだ若くて、大規模イベント運営のノウハウをそれほど持っているわけではありません。それだけに自分だけで抱え込んでしまい、パニクってしまう状況が見えました。ソチでは完全に学生の動員、という形態なので、ボランティアというより計画・統率されたプログラムでした。したがってシステマティックに人員を配置して、計画通りやる方法です。言ってみれば非常にシンプルです。基本二十歳前後の学生ですから、与えられた仕事を文句言わずにやります。後はマネジャーが厳格にマネージすればいいだけなので、ロシア社会に合っているともいえるでしょう。リオはボランティア文化がないことと若い人たちが多かった点がソチと似てます。しかし運営としてはロンドンをベンチマークとしたのでかなり無理が出たと思います。やはりロンドンで経験したように、チームリーダーとなりえる中堅層の参加が望まれます。現場でうまく調整を取りながら、マネジャーと連携してチームを引っ張ってゆく必要があったと思います。東京ではボランティアに参加しやすい環境を整えることが急務ですね。オリパラは我々のようなオヤジ・オバサンたちを必要としてるのです。(失礼、笑)

 

 

どんな大変なことがあろうとも、人生が厳しくても、底抜けの陽気さでうまく切り向けてゆくカリオカたち。日本が彼らの人間力に学ぶところは沢山あります。そしてこの素晴らしいリオの風景とサンバのリズム。人間って、人生って何だろうと考えながら過ごした3週間でした。多くの友達とも会うことができました。あっという間にフェースブックの友人も1000人を突破してしまいました。今回の投稿で私のリオ大会ボランティア総集編とします。それではリオへの想い「サウダージ」とともに。ありがとうリオ、また近いうちに会おう! Obrigado, Rio de Janeiro!

 

 

 

softbadmintonballです。

リオに着いた当初は、16日間という滞在日数がとてつもなく長く感じられるだろうと思っていました。

ところがどっこい、何があったか思い出せないほどいろんな出来事にあふれた日々が怒涛のように過ぎ、もう間もなく終わりを告げようとしています。

バドミントン会場では閉会式前日まで男女シングルス、男女そして混合ダブルスの競技が行われました。予選リーグから熱戦が繰り広げられていましたが、メダルがかかる準決勝からは緊迫感の度合いも増し、我々通訳ボランティアも選手の皆さんがインタビューの時に何を語られるかを想像しながら試合の行方を見守りました。

そして、女子ダブルスでは、日本のエース、高橋・松友ペアが決勝の舞台に立ちました。世界ランキング1位で金メダルを期待される中、順当に決勝まで駒を進めてきた同ペアでしたが、さすがに決勝では少し堅くなった模様。第1セットを失いましたが、2セット目をあっさりと奪い返し、ファイナルは大接戦。

私たち通訳ボランティアは、ミックスゾーンで待機しているため、コートの真横からしか試合が見られません。シャトルがネットを越えたかどうかしかわからないので、TV中継画面と実際のプレーを交互に見比べるようにしながら、ワンプレー、ワンラリーに一喜一憂していました。そして、終盤3点ビハインドから追いつき、大逆転で金メダルをつかみ取ったタカマツペア!あの時の会場の大興奮はきっと忘れることはないでしょう。

会場担当マネージャーのご指名で、決勝の後のメダルセレモニーの前に、表彰台に上がる際の注意事項を高橋・松友両選手に伝える役割を与えていただきました。勝った選手、負けた選手、それぞれの感情が交錯する舞台裏に立ち合うという貴重な経験をさせていただきました。

ミックスゾーンでは、BWF(世界バドミントン連盟)やONS(オリンピックニュースサービス)の取材があり、負けて銀メダルとなったデンマークのペアの涙のインタビューの後に、タカマツペアがいつもと変わらない淡々とした受け答えをしていました。「身長が高いデンマークペアと対戦する時は頭を使う」と言った高橋選手のコメントにBWFの記者は興味を持ったようで、「本当にそう言ったのか?」と後で私に確認しにきました。

{086BE07B-4798-4543-8A9E-2356516ADFB5}

また、翌日には、ある選手のドーピング検査に立ち合うという経験もしました。ドーピング検査というと、予告なしに真夜中でも早朝でも自宅にズカズカと上がりこんでくるという報道を耳にしていたので、さぞかし強引に選手を引っ張っていくのかと思いきや、ドーピング検査があることを選手に伝えてからは、選手が準備できるまでひたすら待つのだということがわかりました。検査に行くまでの時間、すこし離れた場所でずっと選手を監視?していなくてはならないので、チームメートとの写真撮影の様子など、普通なら見ることのできない選手の皆さんのリラックスした姿をつぶさに拝見できたのは役得でした。活動中ですので、こちらから写真撮影やサインをお願いしたりすることはもちろん差し控えましたが。

そして、ボランティア活動がすべて終了し、チェックアウトをすると、修了証と共に、IOCのバッハ会長からの謝辞が書かれたバッジをもらいました。

{C806F8CF-9909-4577-B9FB-E25329C942A2}


この日の夜にはリオセントロ会場マネージャーの呼びかけでLANチームのフェアウェルディナーがありました。本当にいろんなことがあった2週間余りでしたが、この仲間と出会い、リオデジャネイロの空の下、一緒に活動できたことを心の底から感謝したい気持ちになりました。

{E4C1E5E5-CBF5-45BC-ACFF-6E287CCB27FD}

さて、夢の時間ももう終わり。
そろそろ夢から覚めて現実に戻らなければ…!

こんにちは、オリンピックジャンキー@リオです。

 

とうとうあと二日になってしまいました。あっという間の2週間、毎度の興奮とともに終わりに近づいてます。卓球が終わりになったので、私の仕事もひと段落。とはいえ最後の2日は女子団体の銅メダル、男子の銀メダルとまたまた歴史的な瞬間に立ち合い、選手と感動を共にすることができました。女子団体では通常銅メダルの記者会見はしないのですが、注目度も高く、急遽ひな壇での会見。プロの通訳がいなかったので、メディア部長のセシルさんから「やってくれ」ということになりました。端に座るかと思ったのに、なんと真ん中に。写真だとなんだか監督みたいですね。「それじゃあ、次は佳純ちゃん。」なんて偉そうなこと言ってました。

 

 

一方、最終日の男子決勝はものすごい戦い。本当に勝てるかもしれない、って思うほどでした。王者中国に果敢に立ち向かった卓球男子、日本の英雄、誇りです。女子の陰に隠れて、つらい思いをしたでしょう。水谷選手本当にうれしそうでした。余りの感動で、通訳の出来は最悪。やはり思い入れが強すぎるとダメですね。プロにはなれません。これら一連の通訳ボランティアの活動をOBS(オリンピック放送サービス)が数分のビデオフィーチャーにしてくれて、オリンピックニュース放送で流れてます。私を含めて何人かの同僚がインタビューを受け、水谷選手も「通訳の皆さんのおかげです」とコメントしてくれてます。本当にうれしいです。泣けてきます。

 

 

という訳で休みになったので、本当はメイン活動会場の予定だったゴルフを観客として観戦してきました。松山選手が出場辞退したのと、日本選手がメダルに絡まなかったので、通訳の仕事なし!お役御免で、リオセントロに帰らされたわけです。ブラジルではゴルフの人気がないので、観客も少なくて選手と一緒に写真を撮ったり、楽しい一日でした。何しろプレッシャーゼロ!気持ちいです。ファンのレキシー・トンプソンや今回はコーチとして来ている、ポール・マッギンリーともセルフィーです。勤務中は選手との写真など撮ってはいけませんが、観客ですからね、いくらでもOKです。やはりプロはファンサービスしっかりしてます。あと今リオではやっているのは会場でビールを買うとついてくるこのビールマグ。いろいろな競技のデザインがあって、これを集めるわけです。いいデザインでしょ?