突然ダンナに言われた。


「別居しようと思ってるんだ。」





なんのことか理解できないあたし。


子供が産まれてもうすぐ1歳になろうとしている、


こんな時期に何を言っているんだ?




これから二人で頑張って行かなくてはいけないのに、


何故こんなことが言えるのだ?





「惹かれてる人がいる。」



付き合って13年目。


入籍して4年目。



浮気のできない正直者のダンナの一言。



「俺の理想としてる女性にもっとも近い女性が


 今職場にいるんだ。」



嘘のつけないダンナ。


正直過ぎるダンナ。



「おまえはもともと俺の理想と真逆なタイプ。


 おまえの持っていないものを持ってる女性なんだ。」



出会った第一印象、


二人とも、


「この人はありえないな・・・。」


そんな二人が一緒になったのだから、


いつかこんな日が来てもおかしくはなかった。




「こんな気持ちになったのは始めてで、


 自分でも抑えられなくて困ってる。」



頭が真っ白になった。


こういうことを言うんだ、


頭が真っ白って・・・。




「その人も俺に好感は持ってくれていて、


 たまに二人で会ったりもしてる。


 ただ浮気は絶対にしたくないから、


 もしアプローチするとしたら、


 おまえと別れて半年以上たってからだけど。」





こうなった原因は全てあたしにある。



メンタルの弱いあたしは、


時折パニックに陥り、


物を捨てられず、


部屋も上手に片付けられない。



子供が産まれてからの1年、


一人で育児に奮闘して、


手伝ってもらえる身内も近くになく、


必死で、一杯一杯になってた。



仕事も始めて、


時間をうまく使えず、


ダンナに奥さんらしいことをしてあげられなかった。





ダンナは寂しかったのだと思う。


自分の仕事も責任のあるものだけに、


息を抜く場所を求めていたのだと思う。





そんな時に理想の女性が現れ、


しかも優しくしてくれていたらしい。



話を聞いてくれて、


二人でいるのが楽しかったらしい。







あたしが仕事を始めたのが、


子供が6ヶ月になった頃。



朝5時前に起き、


自分の準備と子供の準備。


子供を保育園に連れて行き、


仕事をこなして帰るのが18時過ぎ。




子供の世話をしながら待ってた。


ダンナの帰り。



仕事を始めてから特に、


ダンナの帰りが待ち遠しくて仕方なかった。



でもダンナは残業あり、


職場の人との付き合いがあり、


バンドも掛け持ってるからリハもあり、


毎日帰ってくるのが遅かった。



休みの日も家にいなかった。


終電に乗り遅れて朝帰ってくることもあった。



あたしは翌日の仕事の為に早く就寝することが多くなり、


顔を合わせることも減っていった。



あたしには友人と呼べる友達も少なく、


ダンナだけが唯一の話し相手。



職場以外で話すこともなくなり、


どんどん寂しくなっていった。



でもダンナは忙しいからと言い聞かせ、


せめて寝顔だけと眺める日々が続いた。




寂しさが不満に変わることもあった。


育児も手伝ってくれない。


子供と遊んでもくれない。


家のことを手伝ってもくれない。


あたしと話してもくれない・・・。




それでも家族の為に働いてくれてるダンナを、


疑うことはなかった。




この人に限ってありえないだろう。


信じることとたかをくくることは紙一重で、


長く一緒にいるうちに、


あたしは後者になっていたのかもしれない。




告白されてからというもの、


自分を責めることしかできなくなった。