今年の1月の事だ
仕事が早く終わった私は、晩御飯を作るのにたっぷり時間があるので
少し手間のかかる料理をしていると、
ご機嫌で長男が帰宅した。
よほどお腹が空いていたのか、長男は待ちきれず
出来ているおかずをお孫と一緒に食べ始めた。
そうこうしているうちに、晩御飯を作り終え、私も席についた。
すると、「母さん、ビール半分ずつ飲もう」と
普段アルコールを飲まない長男がめずらしく私に声をかけた。
色々と仕事の話や、出来事など親子の会話をしながら
楽しく食事をしていると、そこに次男が帰宅した。
「ただいま。」と言いながらリビングのドアを開けた次男を見て
私は驚いた…
《次男が顔面に怪我をしている!》
一気に酔いが醒めた。
「どうしたん??!!」正直私は冷静さを失っていた
「チャリでこけた…」
「どこでなん?」
「大学の帰り道。」
「病院行った方が良くない?」
「血が止まったら大丈夫」
だが、出血が止まらない様子だ。
横で見ていた長男が笑っている
「お前さー。チャリでこけるってどんくさいのぉ」と声をかけた。
それに対して次男が
「学校の帰り道は下り坂になってて、車道を一気に降りるんやけど
路上駐車してる車がおってなー、後ろからも車がきててん。
だから歩道を通ろうと思ったらその段差をチャリで上がりきれず
こけたんやんかー」と理由を説明してくれた。
大体、次男がチャリで通学しているのは、そもそも駅からのバス代を
私に負担させないよう配慮しての事なのだ。
怪我をした次男に正直私は申し訳なかった。
だが、長男はまだ笑っている…
「ま、母さん!こいつの出血が止まらんかったら病院に連れて行った方が
ええと思うわー」と笑いながら言った
次男もご飯を食べ始め、少し経った頃
モラ爺が帰って来た。
そして、次男の顔を見て「その顔、どないしてん?」と聞いた。
「チャリでこけたー」と次男が答えると
「ふーん。」と言ってもくもくとご飯を食べ始めた。
それを横で見ていた長男はもう笑ってはいなかった。
急に大きな声で、「母さん、こいつ頭打ってたらあかんし、出血も止まれへんかもしれんから、病院連れて行った方がやっぱりええわ!!」
「どこかすぐに診てもらえる病院を手配して、診てもらう方が絶対ええ!」
私はすぐに救急病院を探した。
何軒か電話をかけると1軒だけ診てもらえる病院をみつけた。
長男が「俺、こんな日に限って飲酒しているから、父さんに車運転してもらって
病院まで連れて行ってもらったらええんや!」と言った。
だが、モラ爺はこの会話を聞いていても無視だ!
余計に長男の声が大きくなる。
「俺の車で、俺の金でガソリン入れてるから、
運転だけしてもらえばええねん!」
だが、モラ爺はもうご飯を食べ終わり
隣の和室で横になってテレビを見ている。
そんなモラ爺を指差して私は言った
「その気持ちは嬉しいけど、タクシーで行くわ」
すかさず、長男が私に言い返す
「それこそ、そんな無駄なものに金かけるんやったら
父親に送って行ってもらったらええのに!」
引き続き、知らん顔してテレビを見ているモラ爺を見ながら、
次男は申し訳なさそうに
「母さん、タクシー代と診察代は自分で出すからついて来てもらっていい?」
と私に言った。
「そのぐらいのお金なら母さん持ってるからあんたが心配せんでも大丈夫や」
と私も次男に声をかけながら、
私はお金の事よりも何より父親の態度に情けなくて涙があふれた。
病院に行く直前に長男が、次男に言った
「●●(次男の名前)、でもお前良かったかもしれんわ。
バイクやったらこんな怪我で済んでないし、ヘタしたら死んでるかもしれん。
ええか!これからは絶対に気をつけなあかんぞ!」
私は長男の心の叫びも同時に聞こえた。
お前にもしもの事があったしても、
自分には関係ないと思ってるヤツがおるねんからな!
私達はすぐに近くの大通りでタクシーを止めて
行き先の病院名を告げると、タクシーの運転手さんが
怪我をしている次男を見て
「大丈夫ですか?」とやさしく声をかけてくれた。
とても、その言葉に次男と私は重みを感じた
うそでもいいのに、父親が言えなかった言葉だ
診察も受け異常なしと診断され
家についたのはかなり遅くなっていた。
部屋に入るとモラ爺が布団の中から
次男に「どうやってん?」と声をかけた。
「異常なしやった」と答える次男
「ふーん」とモラ爺が返す。
非現実的なお話だけど、本当にあった出来事です。
人の親として、人間としてどうよ?って思ってます。
ここで、連れて行ってくれたら、千円あげると言えば
きっと運転してくれたと思います。WWWWWWヘ(゚∀゚*)ノ
多分500円でもOKする人だからねー
情けないったらありません。(´д`lll)
モラ爺には、いえ、モラ人には人を思いやるというものは
もうすでに存在しないのだろう…
そう再認識した出来事でした。