リンすけさん家の気まぐれ雑記帳☆(夏゜ー゜)八(・Θ・)八(゜∀。*) -2ページ目

リンすけさん家の気まぐれ雑記帳☆(夏゜ー゜)八(・Θ・)八(゜∀。*)

気まぐれにいろいろ書きなぐります\(^o^)/
変態はjustice!(゜∀。*)←

ありがとう、そしてありがとう!



※2015年5月11日作成分

※一番大好きだった公演の千秋楽(二度目)に更新予定
(更新頼むぞ姉リン!笑)

※いつもの何て事ないただのキモチワルイ駄文です

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春の心地よい風が吹き抜ければアスファルトを濡らす雨、それが過ぎればいよいよ本格的な暑さ―意識しなければあっという間に通り過ぎていく、めまぐるしい毎日。

今日も空が白みだした頃から始発の電車を待つ人だかりのホーム。
その白線の端に留まる鳩は人だかりに臆することなく自由気ままに誰かが落としたパンのカスをつついている。

そんな駅の様子が程よく見えるやや小高い所に位置する一軒の戸建て。
その二階の窓から冴えない顔をしたとある人物がどこかもの恨めしそうな目でただ駅の方を眺めていて。


「行きたくないなあ……」


淀んだ溜め息と一緒に吐き出したそれは、踏み切りを通過する車両の静かな喧騒に掻き消されていった。


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「―おう、お疲れ~」


タイムカード打刻機がある部屋のドアから職員ロッカールームへと続く部屋のちょうど真ん中にある、小さな中庭。
その中庭に響く朗らかな一声。
その声が向けられた先は―今朝、冴えない顔をしながら駅の方を眺めていたあの人で。
ユニホームに留められてる「○○ホーム 介護職員○○」と刻まれた真新しいネームプレートから、この人物は今年から新卒で入った老人ホームの介護職員だろうか。
声を掛けられたその新卒職員は返事もせぬまま、ちょうど中庭側に身体を向けた体勢で腰かけ、俯いていた。

その左横には「事故報告書」と記載されている書類。
そこに新卒職員の氏名が記載されている事から成程、どうもこの新卒は介護の業務中に老人ホームに入居している高齢者の方を負傷させてしまったらしい。

一方声をかけた人物は返事がないことを特に気にも留めず、俯いたままの新卒の右隣に「よいこらしょっと」と独り言を呟きながら陣どった。
その人物のネームプレートには「○○ホーム 統括部長 サービス提供責任者○○」と書かれている事から上司にあたる者らしい。


「いや~ちょっとひとっ走りしてきたらちかっぱ汗かいたっちゃん、もう夏バイね~。
ん?暑さでくたばっとるんかな?大丈夫?」

「…すいません。大丈夫です」


“大丈夫”。
反射的についつい口に出てしまう機械的な言葉。
大丈夫でなくても大丈夫、とおうむ返しのように答えてしまうようになったのは、一体いつからだっただろうか―


上司と思われる人物はここが東京であるにも関わらずどこの地方か不明だが方言バリバリでマイペースに言葉を続ける。


「あ、そうそう休憩室にあった名古屋のお土産食べた?パートのおばちゃん達に“ちゃんと新卒の子達の分もあるんでとっといて下さいね!”って言うちょったけん、遠慮せんで食べればよかよー」

「…名古屋、ですか?」


俯いていた新卒がこの時初めて僅かながらに顔を上げ、口を開く。


「そーそー。…む?その顔はあれやろ、この人出身確か福岡とか言いよったんになして名古屋なんやろ?って顔やろ~」


上司は新卒の顔を見たかと思えばからからと笑いながら、何故地元福岡でなく名古屋のお土産なのかをこれまた熱のこもった口調で説明し始めて。

生まれて初めて名古屋に着いたとき名駅と名古屋駅は別の駅と勘違いしてひたすら桜通口と太閤口をさ迷ってたとかナゴドに野球観戦行くときは名城線、栄に行くときは東山線を使ってるとか羽豆岬の展望台とか栄の地下8番口からサンシャイン栄に上った時のあの高揚感はパネェとかドアラ可愛いよドアラとか正にマシンガントークの如く熱弁してくる上司の言霊を聞き流しながら、新卒はふとこの上司が出身は福岡、好きな野球チームはホークスとスワローズ、そして名古屋発の国民的アイドルグループのファンだと初めて挨拶した時に公言していた事を記憶の片隅に思い出した。


「―でさ、名古屋港水族館ってあるんやけど、そこのシャチさん家族がでたん可愛いっちゃんねー!ウチ年パス持っとる位好きっちゃん。ほらこれが年パス!やって二回行ったら元とれるしさー」

「…もう辞めようかと思ってます」

ピタリ、それまで快活に紡がれていた上司の台詞が止まる。
辞めようかと思う、と再度視線を落とし俯いた新卒はそのまま手元の事故報告書に目を移しながら所在なさげに呟いた。


「同期の子は皆、もう夜勤とかもやりだしてるし、居室担当の入居者も受け持ってるのに私だけ覚えが悪くて未だに日勤だけしか出来ないし、上手くコミュニケーションもとれないし、業務スケジュールにいつも間に合ってなくて社員の癖にって他の方から怒られるし、…それに、」

「昨日、入居者の方を怪我させちゃったから?」

「……」


返事はない。ただ、新卒の肩は力なく、けども小さく震えていた。


「―ん。」


数刻の間があったかと思えば、唐突に差し出されたビニール袋。
ガサッと音が鳴るその中を覗けば、二本のラムネ瓶。


「これ買う為にさ、さっきちょっくら駅の近くの屋台までひとっ走りしてきたんよ」

「ラムネ…?」

「今日駅裏の神社で縁日がありよるって。駅のロータリーにデカイ看板立っとったの見とらん?」


新卒は今朝の回想をするも全くそんな看板の事など覚えていない。
普通だったら、そんなに目立つ位置に目立つ看板があったら否応なしに目につくはず、なのに―


「―ギャーっ!ちょっ、ヤバイ走ったとき揺らしすぎちょったけんラムネが噴き出したー!」


ポンっ、と小気味良い音が聞こえたかと思うも束の間、中身が噴き出すラムネ瓶とアワアワ格闘し出す少し間抜けな上司の構図に新卒は思わず笑ってしまって。


「ちょ、上司の失態を笑うんでないっ!」


口ではそう言いながらも同じく笑顔な上司は中身が落ち着いたラムネ瓶の一本を ん、と優しく新卒の手に渡した。


シュワシュワと微かに泡が弾ける瓶の縁に沈むガラスに柔らかな夕陽が射し込む。
手に取ったそれをカラン、と傾ければ口の中に広がる懐かしい香りと、味。


「―小さい時ってさ、やけにラムネ飲んどったんちゃんね。縁日とか花火大会とか祭りの時たいてい屋台に売りよったし、毎年夏が来るんが楽しみやったっちゃん。
○○ちゃんもそうやなかと?」


名を呼ばれ、新卒はラムネの瓶を眺めながらただこくりと頷く。
言われれば幼少時、屋台を通ればキンキンに冷えたラムネが目についてその度に両親にねだって買ってもらったっけ―

そこで新卒は思う。
何故、わざわざこの上司はラムネの為に駅前まで走って買いに行ったのだろう。
しかも2本、いや、二人分。


「今でもラムネ好き?」

「まぁ…そうですね」


今でも、と問われれば今でも確かにラムネは好きだ。
嫌いではない。
しかしいつの頃からだろうか、嫌いじゃないのに気づけば全く飲まなくなってしまって、というか、全く関心すら寄せなくなって―


「子供の頃はこのビー玉を中でコロコロ転がしながら飲むの、好きやったんよね。
でも大人になった今はこのビー玉、邪魔にしか思えんくなってさ。
やってぶっちゃけ飲むの時間かかるやん?缶とかペットボトルの方がすぐ飲めるしさー、」


ふとここで上司の言葉も止まる。
聴こえるのは中庭にいる鈴虫の静かな音。
上司も新卒と同じようにラムネの瓶を見据えながら、溜め息にも似た小さな笑いを吐き出して。


「何で子供と大人で、こうも思うことが違うんやろうね。同じラムネなんに」


その上司の何てない一言が、やけに新卒の心の深淵に響いた気がした。

ここで新卒は気付く。


「忘れてましたよ…ラムネの、飲み方なんて」


大人になって、社会人になって。
大丈夫じゃないのに大丈夫って答えて。
忙しい日々に疲れきって、こんなビー玉なんて面倒になって―


「…忘れてたんなら、また、思い出せばよかとよ」


上司は新卒の顔を優しく見据え、柔らかな口調で言った。


「無理に急がんでいい。焦らんでいい。20そこそこの人が人生の先輩の80を超えた人達に追い付くなんて無理なんやから。
周りと自分を比較する必要なんてない。
しんどい時はひと息ついて少し休憩していいっちゃけん。ね?」

「…は、い」


ラムネ瓶を握りしめる新卒の右手が静かに、けども小刻みに揺れる。
それに伴い揺れる瓶の水面。


「―じゃ、ウチ今から夜勤やけん。夜まだ少し肌寒いけん風邪ひかんごとね~」


ポン、と上司は新卒の頭を優しくひと撫でした後、先のドアを開き戻っていって。


「……っ、…、」


握りしめられた新卒の右手の甲に透明の雫がパタパタと、何滴も落ちては中庭の地面に吸い込まれていった。




「―あれ?○○さんそこで何してるんですか?今日は休みじゃありませんでしたっけ?
ご丁寧にラムネまで持って」


事務員がドアの前に佇む、本来は休みなはずの上司を見かけてか声をかける。
上司はビー玉をカラン、と小さく鳴らしながらそっと微笑んで。


「いまちょーっと取り込み中なんですよ。へへ」


鈴虫の声が、夏の夕空へと静かに響きわたっていた。



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「―ええ、なので申し訳ないのですが○月×日付けで退職させて頂きたくて」

「そう…病気療養なら仕方ないわね…残念だわ…もっと早くに気づいていればね…」

「はは、まぁそれはもう、なってしまった分は仕方ないので」


あれから幾年経過したかは不明だが季節が過ぎ去っていく渦中のとある日。
当時上司だったその人物は本社に出向き、何やら話し込んでいるようだった。


「そうなると貴方の後任を決めなくちゃね。引き継ぎも早めにしないと―」

「あ、もう後任は私の方で決めてあります」

「え?」

「はい。“○○さん”に―」


上司が呟いた名前は、あの時の新卒の名前だった。








小説【ラムネの飲み方】


おしまい




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この記事があがったという事は、一番大好きだった公演がついに千秋楽(二度目だけど)を迎えた、という事ですね。

一体千秋楽を迎えたのはいつになるのかは予想がつきません。
もしかしたら今年2015年かもしれないし、来年かもしれない。もっとさきの再来年やその次かもしれない。

Team KⅡのメンバーさんも変わってるかもしれない。
もしかしたら、鳥をこよなく愛するキィィィィ(・Θ・)な方(←)も、未だいるのかもしれないし、いないのかもしれない。


でも、変わらずにただひとつだけ言える事。


昔も今も、そしてこれからも変わらずに私が一番大好きだと断言できる公演。


ラムネの飲み方 公演。


今でも覚えてる。
リバイバルからの空白の一年。
苦難の一年。
歴史が動いた、あの年の総選挙。
チームの為に、メンバーの為に、応援しているファンの為に。
勇気を振り絞って叫んだ、あの魂の訴え。
あの時に垣間見た、“兆し”。

失くした時間を取り戻すように動き出した、Team KⅡ。

どれか1つでも歯車が欠けていたら、今の【ラムネの飲み方】という軌跡はなし得なかったと思う。


大事な事だから何度だって言う。

私は、今もずっと ラムネの飲み方 公演が大好きです。

この公演からたくさんの元気を貰いました。

実は今、iPodで曲を聴いています。
体調的にこうしてiPodが聴けるのも今日が恐らく最期です。

でも、耳が殆ど聴こえなくなっても、瞼を閉じればしっかりと聴こえてきます。
Team KⅡの皆さんがステージの上でキラキラ輝いてる姿と共に。





今 僕たちは校舎の屋上に集まり
夜明けが来るのを一緒に待ってた
そう 星もない暗闇 段ボールを敷いて
未来を語り合ってた

大きな悲しみ 途方に暮れた日々に
いても立ってもいられなくて
明日の光を探しに来たんだ
希望をください

君がいて 僕がいて 彼がいて 彼女がいて
東の空が白んで 新しい朝が来る
涙して 抱き合って 肩組んで 前を向こう
兆しに照らされて
僕たちはもう一度強くなれるさ

もう この街は目覚めて動き始めたんだ
なくした時間を取り戻すように
ほら 変わらない太陽 みんなで手を伸ばせば
ぬくもり掴めるだろう

見えない痛みにみんなで怯えないで
どんな涙も乾くものさ
自分の心を信じてみようよ
力をください

君のため 僕のため 彼のため 彼女のため
やさしい風が吹き抜け 輝いた今日が来る
生きること 感謝して 巡り逢い 愛し合おう
兆しを感じたら
僕たちはいつだって一人じゃないさ

君がいて 僕がいて 彼がいて 彼女がいて
東の空が白んで 新しい朝が来る
涙して 抱き合って 肩組んで 前を向こう
兆しは地図になり
僕たちは夢の道 あきらめないよ




最高の公演に出会わせてくれて、ありがとう。

ラムネの飲み方 公演という軌跡を応援する事が出来た事。
本当に誇りに思います。


Thank You!


byリンすけ( *口ω口)ゞキリッ



PS

駄文小説の中の間抜けな上司のエピソード(名古屋港水族館年パス含)は全て事実です(笑)


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