私は直腸がんだったんだけど
肺にも肝臓にも影があるといわれた
そのときのお医者さんは「転移疑い」と言ってくれました
左の卵巣あたりも腫れてるから、そこにも飛んでるかもしれない
というようなことも言ってた
癌を伝えながら
医者は私を見て不思議そうな顔をしていた
多分、私が驚きもせず
なんていうか・・気を落とすことも動揺することもなかったからだろう
私は、肉体と心のどこかで
「恐怖」と「安堵」を感じていました
その感情の拮抗状態が
プラスにもマイナスにもいかず
平静な同様のない状態に見えたのだと思う
「すぐに化学治療に入りますが」
そう言われた時
私はすぐに化学療法はやりたくない
だから、これ以上検査もしない
そう伝えました。
自分の治癒する力、免疫力を上げることをしたい
癌を敵にしたくない
癌を自分の子供のように
傷付けてしまって、哀しがって怒ってて
もう我慢して固まってしまった子供のように感じた
優しくしてあげたかった
医者はますます不思議な顔をしたけど
怒ることも、抗うこともなく
「わかりました」
そう承諾してくれた
多分多くの人が転移がある癌だと聞かされれば
もっと精密な検査をしたくなるんだろう
私も思わなかったわけではない
今でも1ミリくらいの迷いはある
でも、私の世界のなかで起きた問いには
私に応えてもらいたい
私の肉体・心の声に
私は意識を向け続けた
さあ、とうとう癌になったよ
なんとなくいつか来るんじゃないか
そう感じていたような気もするし
まさか、という気もしていた
でも、私は静かな違和感を覚えていた
「・・・・この安堵感・・？？？みたいな感情はなんだろう」
癌だといわれ、一瞬ひゅっと温度が下がった
そして、どこかで
「つじつまが合う」ような不思議な「安堵」を感じていた
恐怖と安堵
その安堵の正体は
後々にわかることになる
だんなさんをはじめ
わたしの肉親、だんなさんの肉親
友人たちが
わたしにいろんな想いをくれた
沢山のエネルギーをくれた
「死ぬ」ことを恐れることはあまりなく
それは普段「死」というものの私なりの解釈が
体感に落とし込めていたからだろう
感覚をいつも意識的に観続けている私にとって
肉体の死はそれほど大きな出来事には感じられなった
ただ、「過去の記憶」と「誰かの死への物語」が
私の肉体に「恐怖」という強い痛みを起こし続けた
私は癌とわかってから
その恐怖と罪悪感でいっぱいになり
私は一人で
ひたすら泣きながら父やおば、母や祖母祖父、そしてだんなさんに
ごめんなさい・・ごめんなさい・・と絞り出すように叫んでいた
私が自然治癒力を上げる代替療法をするというと
だんなさんをはじめ、家族全員が懸念した
でも、最終的には「あなたが選んだことだから」と納得してくれた
私は、とにかく意図しつづけた
最高に気持ちよく、快感のなかで
癌と和解できること
癌細胞がまとっているエネルギーと
同じエネルギーの感情をみつけ
そこへ意識という光をこれでもかと充てることができ
目を逸らさず、なんの意味もつけず
ただただあるがままに観察することができ
癌と私が、愛をもって繋がった感覚を
意図しながら瞑想や日々の意識、想いを持ち続けました
そして、癌が完全治癒し
私は産まれ変わった感覚をもって
最高に満足のできる書籍を産み出すことができ
かつて夢だった世界中に自分の絵本を配りたい
子供からお年寄りまで
すべての人に
自分の内部に存在する神様の場所に
いつでも繋がり
信頼をもって
自分という最高のパートナーと生きることができる
その足掛かりになるものを
私が作り出している
そういう世界を描いた
途中何度でも
誰かの物語に引き込まれそうになる
ああしなきゃ手遅れだよ
あなたが心配だからこうしてほしい
みんながやっているようにやってほしい
私を不安にさせないでほしい
過去の誰かの物語に
私は、私を何度も見失った
でも、戻ってこれた
それは、普段から
自分を観察する技を磨いてきたからだろう
かつて、癌は
驚くほどの速さで
私をみつめ
私と許しあうことを選んでくれた
人間は、神様がつくり
全知全能の神様が
肉体・心のなかに備わっている
見くびってはいけない
その力こそが、この大宇宙をつくっている
私の癌の物語は
また本にしていこうと思います