みや さんからのリクエストです!!


三角関係もの


長くなってしまいましたので、前編と後編に分けさせて頂きます…(--;)


―――――――――――――――――――――





<齊藤side>






齊藤「愛佳、どうしたの?」




部活後、部室に残っている愛佳に声をかけた




志田「ん、京子か……別に何もないよ




愛佳は無理に笑ったような表情をした




齊藤「本当に? 何もないって顔じゃないけどなー



志田「…そういう京子こそ、なんでこんな時間まで」




愛佳が残ってたから


一緒に帰りたかったから



なんて私の気持ちを直接教えるような事は言えない



まぁ言ったところで愛佳は気づかなさそうだけど




齊藤「…ちょっと忘れ物しちゃってさ、それに帰っても家に誰も居ないし」



志田「そういえば、京子の親って共働きだったもんね…今日も帰ってこないの?」



齊藤「うん…だからさ、それならこうやって愛佳と喋ってる時間の方が楽しいし」



志田「……私、今日京子ん家に泊まりに行く!」




愛佳は名案を思いついたというように私に無邪気な笑顔を向ける




齊藤「え…私は別にいいけど」



志田「よっしゃ! そうと決まれば早く用意しないと、私先に帰るね!




愛佳は急いで荷物をまとめる




齊藤「分かった、じゃあまた連絡して!」



志田「うん、また後で!」




愛佳は走って門を出て行った








          ――――――――――――――――





ああ、愛佳がうちに泊まりに来るなんて何年ぶりだろうか



小学生の頃は夏休みになると、二人の家を順番にお泊まりしていた



あの頃は、まだ純粋に愛佳の事を親友だと思っていた





ピコンッ





愛佳からだ




愛佳(後10分くらいで着く)




どうしよう、無駄にソワソワしちゃう…










<志田side>






おぉ~、京子ん家久々だな



相変わらずにキレイな一軒家




ピンポーン




インターホンを鳴らす



こんな音だったっけ



それすら覚えていないくらい久しぶりなんだな





ガチャ





パジャマ姿の京子が出てきた




齊藤「入っていいよ」



志田「お邪魔しまーす」




家に入ると、あぁこんな感じだったなと色々なものを見て感じる



齊藤「先に私の部屋入ってて、あ、ジュース飲む?」



志田「うん、ありがとう」




さすがに京子の部屋は覚えてるよね


と、自分に問いかけながら部屋に向かう



玄関上がってすぐ右にある階段を登る

そして左側の壁についている二つ目のドアを開けた




志田「おじゃましまーす…




部屋に足を踏み入れると、ラベンダーのような香りがした




だいぶ変わったなぁ



ベッドの上のぬいぐるみも


机の位置も


カーテンの色も



部屋を見回していると机の上に一つの写真立てを見つけた



あ、これ



写真立てに飾られていたのは、高校の入学式に撮った二人の写真



懐かしいな~




私が急に抱きついたせいで、京子は戸惑ったような恥ずかしいような変な顔をしていた










<齊藤side>





ドアを開けて私の部屋に入ると、愛佳が何かを見て笑っていた





ドキッ…





本当に綺麗な横顔だ





志田「あ、いるなら声かけてよ~」



齊藤「…ごめん、はいジュース」



志田「やった!りんごジュースじゃん、好きなんだよね~」




知ってるよ、小学生の頃からずっとだもん




齊藤「さっき何見てたの?」



志田「あぁ、入学式の写真だよ」



齊藤「あぁ~」



志田「ほらこれ、京子が変な顔してんの」




愛佳は笑いながら写真の中の私を指さす




齊藤「その話はもういいって! 恥ずかしい~」




愛佳と話していて入学式の話題になる度、必ず言われる




志田「あははっ、懐かしいよね~」



齊藤「うん、そういえばさ……」





私達は二人でベッドに寝転がった



最近お互いのクラスであったことや、


共通の友達の話、


部活の練習について



沢山の話をしていたら、時計の針は十一を越えていた





齊藤「明日も部活あるし、そろそろ寝よっか」



志田「そうだね」




二人で一つの布団を被る



小学生の頃はそれで十分だった


けれど高校生となった今では少し狭くなってしまった




志田「…あのさ、京子」




背中のくっついている部分から、愛佳の声が響いてくる




志田「今日部室にいたのは悩んでる事があって…」



齊藤「やっぱり、そんな顔してたよ」



志田「え、マジ? 恥ずかしいな~」




背中越しでも愛佳が笑っているのが分かる




志田「それで、相談があるんだけど…」



齊藤「何でも言ってよ、できる限りの事はするから」



志田「ほんと? …実は私、梨加の事が好きなんだよね」








え……?








志田「それで、その仲介をして欲しいっていうか、京子に手伝って欲しくて」



齊藤「……」




嘘だって言ってほしい…




志田「京子?」



齊藤「え、あ、うん、梨加ちゃん可愛いもんね~
うん、できる限りサポートするよ!」




戸惑いが隠しきれてないが、恋話で浮かれている愛佳には気づかれていないようだ




志田「本当に?! 相談して良かった~、やっぱり持つべきものは親友だわぁ」




愛佳は安心したようで、矢継ぎ早に言葉を吐く




親友…か、、




そう


愛佳から見た私は小学校からの幼馴染で、今では大事な『親友』なのだ



今の私にとって、愛佳は『親友』などではない、本当に本当に大切な『好きな人』という存在だ





志田「今日はありがとう、また明日いろいろ話すね」



齊藤「うん、じゃあ、おやすみ…」





その言葉から数分、愛佳は寝息をたて始めた



私は、きっと今夜眠れない










―――――――――――――――――――――





リクエストのものを前編、後編で分けてしまってすみません!




書いていたらいつの間にか長くなってしまったので分けさせて頂きます