【結果】旧姓・広田さくら興行12・12新木場 | 女子プロレス専門誌『RINGSTARS』

【結果】旧姓・広田さくら興行12・12新木場


 産休に入るため年内でプロレスを休業することを発表している旧姓・広田さくらの自主興行。今大会も「全試合になんらかの形で関わる」としていた広田は、第1試合で彩羽匠と対戦。「デビュー当時の技限定」という条件マッチだったが、試合前に両者の使っていた技が読み上げられると、彩羽は当時からフィニッシュ級の技を使用していたことが判明。これにクレームをつけた広田が、特に破壊力のあるいくつかの技を「カウント5までOK」というハンディキャップルールを認めさせてようやく試合がスタート。彩羽のジャーマンをカウント4でクリアしてみせた広田だが、彩羽がボディスラムからの押さえ込みでフォールを奪った。第2試合の「付き人No.1」と名付けられたタッグマッチでは、付き人経験のない広田がレフェリーとして登場。しかし選手の動きをジャマするポジショニングを繰り返したため、伊東レフェリーに交代して退場した。


 第3試合は「広田を慕う後輩たち」によるバトルロイヤル。男女とも多くの選手がリング内に入り乱れる中、広田自身は赤コーナーに扮して登場。最後は2人まとめてフォールを奪い優勝すると、母・世津子さんから勝利者賞が授与された。セミファイナルにはピンクのマスクを着けたミル・サクラカスが登場。しかしルチャドーラとしてのスキルにAKINOが疑問を投げかけると、怒ったサクラカスは浜田文子に交代。文子とAKINOの同期対決が実現した。


 メインイベントでは広田が同期の高橋奈七永と初のシングルマッチ。しかし、いつもの調子の広田に怒った奈七永が引き上げてしまい、広田はリングに1人取り残されてしまう。しばらくしてようやくリングに戻ってきた奈七永は、なんと赤コーナーに扮して登場。リングの端に棒立ちになると、広田は透明人間との試合に挑みジャーマンらしき技で敗れた。広田が「私、立場がなくなるんでやめてもらっていいですか?」と文句を言うと奈七永は「だって、アンタ先にふざけたじゃん!」と返答。「だからって、オマエのふざけ方は予想を上回ってんだよ! ちゃんとやれよ!」と広田が怒り、ここから2人のシングルマッチに。へな拳、ときメモ(キス)など持てる技をフル回転させる広田に対し、奈七永はラリアット、バックドロップと畳みかけると、最後はナナラッカで3カウントを奪取。広田が感謝の言葉を述べると奈七永が旦那さんをリング上に呼び込み、会場のファンがピンク色の風船を膨らましてエンディングを迎えた。


★試合後のマイク
 広田「ありがとうございました。今日は産休興行ということで、すごく自分の大会なんですけど、これが出来たのが今日だけじゃなく、今日に至るまでにいろんな協力してくださった方々の力や、励ましてくれる皆さんの声のおかげで、今日という日を乗り越えることができました。たくさんの興行があって、今日という日はその中の1つでしかないかもしれないんですが、その中にはすごくたくさんの想いが詰まったリング上であり、お客さんの空気であり。今日たくさん笑って、たくさん拍手をしてくれて、たくさん私にヤジを飛ばしてくれて本当にありがとうございました(会場から拍手)。早くみんなにリングの上から感謝の言葉を言いたくて、1試合目からずっとリングに上がっていました。やっと皆様に感謝の言葉を言えます。本当にありがとうございました。(奈七永にマイクを託して)なんか、私に対していいことを…」


 奈七永「広田さくら! お疲れさまでした! 1人で最初から最後まで出続けるって尋常じゃないパワーがあると思います。新木場にこんな超満員のお客様が来てくれて最初から最後まで声援飛ばしてくれて、こんなにありがたいことはないよね。プロレスラーとして、リングに上がる者として、私もそうですし今日出た選手みんなの気持ちだと思います。ホントにありがとうございました。同い年で、今年私はシードリングという会社を立ち上げて、広田さくらは産休という人生の岐路を迎えた2人がシングルマッチをやったんですけども、初めてシングルマッチを今日やりましたが、とんでもない女だな!」


 広田「オマエもな」


 奈七永「女37歳、まぁいい年かもしれないですけど、年齢なんか関係ない。ただの数字です! お互い頑張って、また元気な赤ちゃん産んで帰ってきてよ! また試合できることを楽しみにしています。今日はありがとうございました」



旧姓・広田さくら自主興行『産休興行』
◆12月12日(土)東京・新木場1st RING(18:30)
観衆341人


▼デビュー戦対決~両国国技館vs日本武道館~・15分1本勝負
 彩羽匠(9分52秒/押さえ込み→体固め)旧姓・広田さくら
※デビュー当時のコスチュームで、デビュー当時の技しか使えない条件マッチ。彩羽のジャーマン、バックドロップ式前落としは5カウントで決着となる特別ルール。
▼付き人No.1~私あの人の付き人でした~・20分1本勝負
 大矢剛功[アントニオ猪木付き人]&○倉垣翼[ダイナマイト関西付き人](12分4秒/ムーンサルトプレス)●維新力[元小結・板井関付き人]&水波綾[長与千種付き人]
▼広田を慕う後輩たちのバトルロイヤル・60分
 赤コーナーポスト旧姓・広田さくら(21分28秒/ふらふらど~ん→体固め)●宮崎有妃、●ヘラクレス千賀
※退場順…佐野直、Ray、小林香萌、桜花由美、木原文人、リッキー・フジ、チェリー&日向小陽、夏すみれ、唯我、KID、宮本裕向、山縣優、新田猫子、宮城もち、カサンドラ宮城、アイガー、宮崎&千賀。
▼レジェンド・オブ・メヒコ~ルチャが好きなの~・60分1本勝負
 ミル・サクラカス→○浜田文子&ミル・ペソカラス(17分22秒/APクロス→エビ固め)●新井健一郎&AKINO
※試合途中にサクラカスが文子と交代。
▼それぞれの選択・時間無制限1本勝負
 透明人間(1分12秒/ジャーマン・スープレックス・ホールド)旧姓・広田さくら
※マジメに闘おうとしない広田に怒った奈七永が退場し、赤コーナーポストに変身して再入場。広田は急きょ透明人間と対戦する。
▽再試合
 高橋奈七永(6分59秒/ナナラッカ→エビ固め)旧姓・広田さくら


★彩羽匠のコメント
 「なんか普通の試合とはまた違う形式だったんで、自分の中ですごい変な緊張してて…昨日の夜も“どんな試合になるんだろう?”ってずっと考えてたんですけど、でもデビュー戦マッチっていうことで、ちょっとぎこちないところもあったんですけど初心に帰れてすごい楽しかったです。産休前に広田さんと試合ができてホントに良かったです。ありがとうございました!」


★旧姓・広田さくらのコメント
 「ホントにもう早くみんなに“ありがとうございました”と言いたくて…ホントに私だけの力じゃないんです。ホントにたくさんの人の協力を得て1つの興行っていうのが出来るので。私はもう3回自主興行やってるんですけど、ずっとそれを噛みしめながら毎回やらせてもらってます」
 ━━やりたかったことはできた?
 「できました。それ以上のことをみんながやってくれて…数々の興行を経て、あんまり私は出過ぎないほうが、予想をはるかに上回ったいいモノができるっていうのが身に染みてわかってきたので(苦笑)。私は極力出ないように、全試合に出るけど私の印象はあんまりないように努めて。そのほうがいい興行になるなってホントに思ってます」
 ━━奈七永とのこれまでの対戦は?
 「組んだりしたことあるんですけど、シングルは初めてですね。シードリング旗揚げして“やる”とは聞いてたけど、ホントにやるんだなと思って(笑)。でも初めてですけど、ホントに不思議なもんで信頼できるからメインのシングルでオファーさせてもらったので。絶大な信頼がある選手だと思います」
 ━━奈七永が試合途中で赤コーナーに扮したが。
 「…そういうことなんでしょうね。私が予想してないことをしてくる。いいレスラーがホントに集まってくれたなと思います」
 ━━試合は年内まで出場する?
 「12月31日まで。ありがたいことで、やらせてもらいます。まだ10試合ぐらいですね。感傷にひたることなく1試合1試合、全力でアホな試合をやりますので皆さん思う存分ついてきてください(笑)」