「結果にコミットする」

今話題の某フィットネスクラブのキャッチコピーです

皆さんこのキャッチコピーを見た時
特徴的な映像も相まってこのコピーの意味を
「結果を確約します」「結果を保証します」
「すなわち、バキバキの切れた体になりますよ!」
というように感じると思います。

何とも直感的でわかりやすいコピーですよね。

ところで、このコピーをイメージと切り離し文法から考えてみることにしましょう

通常「コミット(commit)」には”確約”・"委任"・”委ねる”などの意味があります

この場合、確約が正しいと思われるので置き換えてみましょう

「結果に確約する」


となります

さてここで
皆さんはなにかこのコピーに引っかかるところは無いでしょうか?

「結果」というものを「確約する」場合の助詞※
は「に」では無く「を」のほうがしっくりくるのではないでしょうか

ここで助詞「に」に「を」のような使い方があるかどうか調べてみましょう


格助詞:に

(一)動作・作用の時間を表わす。「十時に寝る」
(二)動作・作用の場所を表わす。「学校にいる」
(三)動作・作用の目的を表わす。「空港に着く」
(四)動作・作用の対象、結果を表わす。「車にする」「紙を半分に切る」
(五)比較・対照・累増などの基準を示す。「一年に過ぎない」「ケーキにコーヒー」
(六)原因・材料・手段などを示す。「暑さにばてる」「餓えに苦しむ」。「ーのために」「ーによって」の意。
(七)内容・状態などを示す。「ーとして」の意。「ほうびにもらう」
(八)受身・使役の相手を示す。「風―吹かれる」「友人に言わせる」
(九)同じ動詞を重ねて、意味を強める。「待ち―待った」



調べてみたところ、どうやら助詞「に」には「を」としての使い方は存在しないのです。

ということは?....



文法としては「結果"を"確約できない」という結果になってしまいました
ということは一体この「結果にコミットする」というコピーはどう解釈したら良いのでしょうか。

ここでもう一度「コミット」という意味は何だったか振り返ってみましょう

「コミット(commit)」には”確約”・"委任"・”委ねる”?

「結果にコミットする」を 「X=コミットする」とし
Xに和訳を代入してみましょう

・結果に”確約する”
・結果に”委託する”?なんだか、しっくりこない”
・結果に”委ねる” .......これだ

某有名なキャッチコピー「結果にコミットする」は
なんと「結果を確約する」ではなく「結果に委ねる」という意味となってしまいました....

すなわち、結果はどうあれそれに委ねるということになります。

「結果にコミットする」というキャッチコピーは
一見、結果を確約するように思わせつつ、実際は
結果は結果だよというエクスキューズを含んだ
防衛的キャッチコピーだったのです

+イメージの誤解を与えつつ身を守るなんて何とも
秀逸なキャッチコピーだと思いませんか?