『冬に来た依頼人』 五條瑛 | 鈴と空のブログ

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読んだ本の紹介を簡単に。
あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

冬に来た依頼人/五條 瑛
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「夫を愛しているの」
その依頼人は、昔愛した恋人だった。
キャバクラの女とともに会社の金を持ち逃げした夫を捜してほしいという。
なんという役回りだろう。
そんな夫でも、臆面もなく「愛している」と繰り返す女に呆れつつ、
わたしは問題のキャバクラに出かけた。
だが、そこでわたしはキリエという名の、完璧な美少女に出会った……。
新感覚ハードボイルド。
――――― 裏表紙より


個人的評価 : ★★★★☆

3つ寄りの4つ。


登場人物の名前やら設定やらに覚えがあって確かめたら
しばらく前に読んだ『蝶狩り』はこれの次だったんだな。


名前と設定には覚えがあるものの、
肝心の内容はイマイチ思い出せないんだよな……。
自分の感想も確認したら何か大変な終わり方をしたようなんだけど。


とても短いということもあって、
話の内容自体はさほど大きな仕掛けも驚きもなくサラッとサラッと。
夫の失踪の理由も、その背景も、一緒に逃げたという女も。

依頼人が突然桜庭の許を訪れたのにも何か秘密があるんじゃないか、
なんて勘繰ったりもしたんだけど、この長さではそこまではないか。


あっという間に読んじゃう。
短くて、内容が分かりやすいことに加えて、
キャラクターがわりとみんな好きなこともあって。


中でも道楽息子の檜林が好きだ。
自分をよりよく見せる(魅せる)ことと
桜庭をからかって楽しむことしか考えてないんじゃないか、
なんて思ってしまうような、そんな言い草が。


そんな檜林に散々からかわれながらも、
結局のところそんな関係性が嫌じゃないようにしか見えないし、
その鬱憤を渚ちゃんへの軽口で晴らしているのかと思ってしまう桜庭も。


他の人間が同じことをすれば大変な目にあうらしいそんな桜庭の言動を
全く歯牙にもかけないクールな渚ちゃんも。


キリエは不思議な存在なんだよな。
これを読んだだけでは、彼女の何がそこまで桜庭を惹きつけるのか
私にはピンと来ないんだけど、何か気になる存在。


手元に『蝶狩り』が無いのが残念なところだ……。