『記念日』 香納諒一 | 鈴と空のブログ

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読んだ本の紹介を簡単に。
あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

記念日anniversary/香納諒一
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皆、嘘をついている。
国家機密級の情報を握ったまま、男は記憶を失った。
幾重にも仕掛けられた謎と罠が、記憶を求めて足掻く彼に襲いかかる。
誰を信じればいいのか、俺は。
出口の見えぬ戦いが、始まる。


「これだけ妙な連中につけ狙われてるんだぜ。
自分が真面目なサラリーマンだったとは思ってないよ」


記憶を無くした状態で、横浜中華街の安ホテルの一室で目覚めた男。
そばには、アンと名乗る女がいた。
男が車から投げ出されたところを偶然見かけ、助けたのだという。
俺はいったい誰なのか。
なぜ、そんな目に遭ったのか。
記憶を取り戻すべく男はアンを頼りに行動を起こすが、
得体の知れぬ複数の組織が男を陥れようと蠢き出す――。
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★☆☆


人間関係やら事実関係やらが入り組んで複雑で、ぐったり。


助けてくれた女にチャイニーズマフィアに日本の公安にCIA、
夢に出て来る顔のない女に、

フラッシュバックした記憶の中に見た自分と同じ顔をした男。


その誰も彼もが嘘をついていて、何かを隠していて。
裏切りだとか内部抗争、権力争いだとか国家間の政治的な企みだとか。


一言で言ってしまえば記憶喪失なんだろうけど、
単純に「忘れた」「思い出せない」というだけにとどまらず、
どうやら偽物の記憶を植えつけられていたり、
肉体的な苦痛を伴うブレーキを仕掛けられて居たりと
これでもかというくらいにややこしく。


面白くないわけじゃないし、次から次に色んなことが起こるから
ボリュームの割に短時間で一気に読めちゃうんだけど。


それだけ色んな人を登場させて散々引っ張って二転三転した結果明かされた真相は、
正直少々拍子抜けな感じがしてしまったなんて。
同じ顔をした2人の真相も、男が決めたこれからも、その結果のタイトルの意味も。