- 民王/池井戸 潤
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企業小説を変革し続けてきた乱歩賞作家・池井戸潤が、
ついに政治の世界に踏み込んだ!
ある日突然、首相・武藤泰山と、
武藤の大学生のドラ息子・翔の中身が入れ替わってしまう。
原因もわからないまま、
やむなく泰山の変わり身となって国会に出ることになった翔。
遊んでばかりの日常を送ってきた翔には、
国会でおこなわれる討論や質疑応答など、到底理解できない。
幼稚な発言を繰り返す上、首相だというのに
文書に書かれた漢字すら読めず誤読を繰り返すという状況に……。
首相と息子の入れ替わりなど夢にも思わない世間では、
一国の代表とは言いがたい言動に対する厳しい批判が渦巻く。
またそれと時を同じくして、泰山のまわりでは、
閣僚の酔っ払い発言やスキャンダル、献金問題などが相次ぐ。
国を背負うはずの大人たちに、一体何が起こったのか―。
本物の大人とは、国を動かす政治とは何か。
胸がスカッとする、痛快エンタメ政治小説!
――――― Amazonより
個人的評価 : ★★★★☆
親子の入れ替わりをどう理由付けるのかと思ったら、そう来たか。
現実問題としてそんなことが可能なのかは知らないけど、
もしかしたらそんなこともある(できる)のかも?
なんて思ってはしまう。
色んなことが上手く片付きすぎなような気もしないわけじゃない。
周りの人、行く先々で係わってくる人たちの言動だとかも。
でも、それがさほど気にならないくらいには面白かった。
色々と浮かぶ現実の政治家がいて、それもニヤリ。
漢字が読めない総理大臣とか
酩酊会見をしちゃった大臣とか
パイプの評論家とか。
親子揃って読み始めと読み終わりのイメージが随分変わったな。
父も息子もおまけに母も。
ただの馬鹿息子だと思ったのにそれだけじゃなかったり
上昇志向と保身ばかりに思えたけど信じることのために思い切れたり。
特に息子の方(見た目は父親)の言葉がなかなか。
マスコミに向かっての言葉とか予算委員会での言葉とか。
大学生のドラ息子という設定のためか、
言葉がストレートというかわかりやすくて、
それが逆にグッと来るというか。
なかなか好きだった。