『殺人症候群』 貫井徳郎 | 鈴と空のブログ

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たまに真面目なことをかいたりもするかも。

殺人症候群 (双葉文庫)/貫井 徳郎
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サスペンス、社会派、ハードボイルド、そして本格。
あらゆる面白さを詰め込んだ最高傑作!


愛する人を殺されても泣き寝入りするしかないのか。
復讐は悪なのか。
怒涛のノンストップ1100枚!
――――― 2002年版 帯より


個人的評価 : ★★★★★

4つ寄りの5つ。


ホントに盛りだくさんな印象。
39条・少年法、脳死・臓器移植、復讐・正義……。


これだけで読んでもちゃんと楽しめるだろうけど、
個人的には前2作を読んでからの方がおススメ。


「復讐は悪なのか」と聞かれると、
やっぱり「悪」なのかな…。


復讐は新たな復讐を生むだろうし、
自らが手を下すかどうかに関わらず
人を殺すというのは心理的にものすごい負担だろうから
被害者(遺族)の救いにはならないんじゃないかと思うから。


でもここに書かれてる犯人たちはホントに最低な人間ばかりで
そんな人間が大した罰も受けないままのうのうと暮らしてて
何も知らない周りの人間からもいわれのない攻撃をされて。
そんなことになったら犯人を殺したいと思う気持ちもわかる。


軽々しく「わかる」なんて言っちゃいけないのかもしれないけど、

でもそれくらいの苦しみを想像することはできる。


環班のメンバーやら事件の当事者やらが迎える結末も
意外なものが多くて、それもハッピーな方向の意外さではなく
辛かったり哀しかったりな意外さなので
読み終わった後はなんだか疲れちゃう感じ。


だからと言って嫌いなわけじゃなくて、むしろ面白かったんだけど。


「悪気のない好奇心がどれだけ人を傷つけるか」というのは

私も気をつけなくちゃいけないな、と。