『悲劇もしくは喜劇』 深谷忠記 | 鈴と空のブログ

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たまに真面目なことをかいたりもするかも。

悲劇もしくは喜劇/深谷 忠記
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人身売買を背景にして起きた殺人事件!
裁判はどこまで真相に迫れるのか?


真実はこの世の中で一番面白い冗談だ。

バーナード・ショーの言葉に触発されて深谷忠記が挑んだ!
新機軸の書き下ろし法廷推理


変転するストーリーと鮮やかなエンディング!


一人息子を育てながら九年間の受験勉強を経て
弁護士になった村地佐和子はミスばかり犯し、
前途に悲観的になっていた。
そんな折りに起きた殺人事件で佐和子は
容疑者の弁護を引き受けるが、
彼女の前には幾多の難問が立ちはだかる―――。


果たしてこれは悲劇なのか、喜劇なのか?
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★★☆

5つ寄りの4つ。


「おぉ、なるほど…」というのが一番最初に思ったこと。
“法廷推理”と書かれていて、このタイトル。
まぁ、“法廷”だけに限ったことじゃないんだろうけど。


人が殺されてるわけだし、
背景にある人身売買や彼女たちの置かれてる状況、
浅慮な若者たちの行動が招いた結果、など
悲劇的なこともたくさん書かれてる。


なのに、「悲劇か、喜劇か」って。


“変転するストーリー”というのも確かにそうで、
一幕から二幕への急展開にまずビックリ。
殺人事件が起こると書かれてはいたけど、急だったので。


裁判が始まって以降(二幕以降)も。
ベタな展開になっちゃったな、と思いきや別の展開。
あの件はどうした?と思ってたのがまた次の展開に繋がって。
それがまた…、という感じで。


ただキャラクターがな…。

特に男のキャラクターにろくでもない奴が複数。

「成し遂げたい何かの為に手段を選ばないろくでなし」
なら物語のキャラクターとして魅力的かもしれないけど。
そんな強いエネルギーも感じられなくて。


強いエネルギー(負)を感じるのは女だけ。
殺されたメイだとかもう一人の彼女とか。
名前を伏せた方の彼女を「ロクデナシ」と言い捨てるのは
そうなってしまった理由なんかを考えると
多少引っかかりもあるけど。


けどやったことを考えると、

これを庇うのはある意味逆差別のような気もするし、難しい。