地域猫として我が家の外で暮らしていた猫が亡くなったこと、
我が家の保護猫が11匹になったこと、
この折にこの猫たちのことを書きたいと思います。
去る2月18日に地域猫として我が家の外で暮らしていたトラオが亡くなりました。
車にはねられ即死のようでした。
近所の方の知らせで駆けつけたらまだ暖かかったためすぐ病院に行きましたがダメでした。おそらく苦しむ事なく逝ったというのが、せめてもの救いのように思います。
トラオとキジくん
4年ほど前からうちにご飯を食べに来るようになりました。
その頃は300mほど離れた他のお宅で10匹ほどの大所帯のボスでした。なぜそれがわかったかというと、妻が猫ボラをしていてそのお宅にTNRで伺った時にトラオがいて、妻を見た途端に「なんでお前がここに?」みたいな表情だったそう。
最初の頃はいかにも強い野良猫のようで近づくだけでシャーシャー。
しかし次第に玄関前で「もう3日何も食べてません。」みたいな表情で待機するように。
おまえ朝も食べに来ただろう、とか言いながらご飯をあげて、トラオはシャーシャー言いながら食べてました。
もと居た場所のボス猫トラオ、そのおたくの方がご飯をあげてもいつも最後まで手をつけなかったとか。
そのお宅は野良猫に心を痛め離れを開放されていました。そしてそこにはコタツまでも。
ただどんなに寒い夜でもトラオは中には入らず外に居たようです。
その恵まれた環境を他の猫に取られないように、一家のために一晩中警戒していたのでは、と思います。
ただ1日だけ、関東平野部でも大雪が降った夜だけ、トラオは離れの中に入ったそうです。
なかなか出来ることではありません。もちろん人間でも。
1人の人間として尊敬できる猫でした。
1年ほど、通い猫でしたが、その後うちの駐車場に常駐するようになりました。
妻が言うには、どうやらボスの座を追われたようだ、との事でした。
捕獲器の中で、「しまった!」のトラオ
地域猫として生きていけるよう、コンテナボックスでトラオハウスを作り、裏庭にトイレを用意。それでも近隣の敷地内で用を足してくるため、そのお宅に超音波の猫よけ機を設置しました。
その結果が、こちら↓
主食はダイエットフードにもかかわらず
この巨体。この頃には通り過ぎる女子高生から「かわいい」「まじうける」と人気者に。
そして、いつも他の猫はその強さで追っ払っていましたが、写真2枚目に一緒にいるキジくんは受け入れ穏やかに暮らしていました。
そしてもう1匹、雌のちびも受け入れました。この2匹はおそらくトラオの世代ちがいの子供たちだと勝手におもっています。
チビ
なぜチビだけ屋内かというと、獣医さんが言うにはおそらく小さい頃にひどい風邪などが原因で左目から涙が止まらない。
また、腹部に腫瘍があり、摘出はしましたが過酷な環境では再発の危険があるとの事で早々に保護しました。
道を横断するにも左右を最低2回ずつは確認してから渡る慎重さを持っていたトラオ。彼が事故に遭ったのは、おそらくケンカが原因ではないかと思います。
事故後に獣医さんに言われたのが
「野良で生きるのはこういうことだから」と、
その一言を聞いてハッとしました。
トラオは猫エイズ陽性、我が家では隔離し続ける空間はありません。
いざ、加齢による衰弱か、エイズに関わる病気になったら屋内で看取ってあげられれば、と家族全員で決めていました。
ただ、そこには外で生きるトラオが常に危険と隣り合わせという事が抜けていました。
いや、分かってはいたけどトラオは大丈夫と決めつけていたのです。
トラオはとても強く、たくましい猫。だけど彼も外で生きる野良猫、都市部では彼らだけでは決して生き残れない、か弱い存在です。
トラオと一緒にいたキジくんはその事故の日に保護しました。彼は他の猫が来るとすぐに逃げ出し、いつもトラオに守られていました。
トラオなしでは一晩として、ここにいれなかったと思います。
まだビクビクすることがあるけど、最近やっと家猫っぽくなってきました。
保護したての頃は、自分達がいた駐車場を窓越しに眺めては鳴いていましたが、それも無くなりました。
きっとトラオとの暮らしを思っていたのでしょう。
トラオの四十九日を前にして、彼の死のショックは和らいではきたものの、彼のいない寂しさはまだまだ家族全員、おさまりそうもありません。
疲れて帰宅が遅くなった時に、彼がいつもそこにいてくれた事、厳しい外での暮らしを生き抜いている事が、どれだけ自分を癒して、励ましてくれていたのかと再認識しました。
ウチにはキジくんを含めて11匹います。過酷な環境を過ごしてきた子達です。里親もなかなか見つからない子達ですが、追々、ここで紹介したいと思いますのでよろしくお願いします。
それまでにこれ以上増えないようにしたいです。
トラオ、ありがとう。










