最近、久しぶりに友人と集まって話していたら「昔みたいに思いつきでどこか行こうぜ」と盛り上がって、気づいたら品川方面に向かっていた。
どうせなら、普段あまり行かない街をゆっくり巡ってみようと決めたのだ。
特に目的を決めず、コーヒーを片手に歩いてみると、再開発されたビルの谷間に古い木造の家がぽつんと残っていたりして、なんだかタイムスリップしたような感覚になる。

商店街を歩くと、焼き鳥の香りや、出来立てのたい焼きの甘い匂いが漂ってきて、ついつい寄り道。
こういう匂いの誘惑にはどうしても勝てない。
食べ歩き用に小さな串を2本買って、路地の角に腰を下ろして頬張る。
この瞬間がたまらなく幸せだ。
味だけじゃなく、地元の人の会話や子どもの笑い声まで全部セットで「ごちそう」になる気がする。

歩いているうちに、ふと「もっと遠くまで行ってみたいな」と思った。
このまま電車に乗るのも味気ないし、かといって車だと駐車場探しが面倒だ。
そこで思い出したのが、以前知り合いから聞いた“レンタルバイク”という選択肢。
思い立ったその日に借りられて、街の風を感じながら走れるのがいい。
それに、品川のような街は少し移動するだけで雰囲気ががらっと変わる。
住宅街を抜けると静かな坂道があり、少し進めば海沿いの景色に出会える。
そんな変化を肌で感じながら走ると、ただの移動が小さな旅になる。

友人と交代で走りながら、道端のカフェで一休み。
バイクを止めてコーヒーを飲みながら、目の前を行き交う人々を眺めていると、都会の中にもちゃんと“のんびりした時間”が流れていることに気づく。
普段は急ぎ足で通り過ぎてしまう景色も、バイクだと違って見えるのが不思議だ。

品川には歴史を感じる神社や、昔ながらの商店も多い。
ちょっと立ち寄ってお参りしてみたり、地元のおじさんに昔話を聞いたりしていると、観光地というより“人の暮らし”が見えてくる。
こういう出会いがあるから、気ままな街巡りはやめられない。

帰り道、夕暮れの川沿いを走りながら、ふと「また別の街でもこんな時間を過ごしたいな」と思った。
日常の中で少しだけ視点を変えると、同じ東京でもまったく違う顔を見せてくれる。
それを感じるには、風を切って走るくらいのスピードがちょうどいい。
バイクでの小さな冒険は、そんな“心の余白”を作ってくれる気がした。