今回はインスタで頂いたご相談への回答をご紹介します。
ご相談(M様/38才男性)
以前から抜け毛が増えたこと、髪が薄くなり、地肌が見えるようになってきたこともあり、
今日、某クリニックでカウンセリングをしていただきました。
結果的に、生え際(サイド)、つむじ周りが脂漏により毛穴が塞がっていること、
髪が細くなっていること、抜け毛の毛根が小さくなっていることから、人工毛を植毛して頭皮のケアをすることを勧められました。
一年間、ケアに必要であり、金額も高額でした。
自業自得とはいえ、人工毛には抵抗があり、他に方法は無いのだろうかと、回答は保留にしました。
カウンセリングをしてくださった方が毛髪診断士とのことで、元井さんを思い出し、コメントさせていただきました。
38歳、男性です。髪の毛はずっとあるものだと思ってケアを怠っていたことをただただ悔いています。
私の回答
思い出して頂きとても光栄です。
今回診断を受けられて、とても落ち込まれてしまったとのこと。
現状を厳しく突きつけられ、焦る気持ちになってしまわれたのではないかと思います。
まだ何もケアされていないのであれば、人工毛は最後の手段にして、
まずは本気で体の外側&内側から頭皮ケアを行い、ご自身の髪を復活させることに注力されてもいいかもしれませんね。
毎日どんなことに気を付けて過ごせば良いか、ご自宅で始められるケアを
アドバイスさせていただきます。
※悩みのない方の頭皮ケア方法とは少し違います。
少し長くなりますが、基本的な考え方は、
「健康な髪は、健康な頭皮が育てる」、
そして「髪は、体の一部」ということです。
目次
①タバコはやめましょう。
②シャンプーの選び方/湯シャンのすすめ
③洗髪方法
④紫外線対策
⑤睡眠
⑥内側からのケア
①タバコはやめましょう。
基本中の基本なので、ここでは多くを述べませんが、タバコは百害あって一利なし、です。
髪と頭皮にとっても毒でしかありませんので、
薄毛ケア、抜け毛ケアをするのであればなおさら、絶対にやめましょう。
②シャンプーの選び方/湯シャンのすすめ
よく、皮脂が悪者扱いされて、
それを「完全に取り除く」ことにフォーカスをあてたケア方法を聞きますが
私は疑問に思います。
皮脂は頭皮にとって必要な存在だからです。
外的環境から頭皮を守る「バリア」的存在であり、
奪えば奪うほど、毛根にある皮脂腺が頑張って皮脂を分泌します。
いたちごっこなのです。
皮脂を奪われた頭皮は、バリア機能を失い、
弱り、健康な髪を育てる力を失ってしまいます。
そこで、洗浄力の強すぎる成分の入ったシャンプーは避け、マイルドなもので洗う、
もしくはシャンプーなしの「湯シャン」、に挑戦してみてください。
洗浄力の強すぎるシャンプーについては、こちらをご参照ください。
【毛髪診断士筆】薄毛の犯人は皮脂、というわけではない
「湯シャン」にすると、はじめは皮脂のベタツキが気になるかもしれませんが、
次第に皮脂の分泌はおさまる方がほとんどと聞きます。
いきなり「毎日湯シャン」が強烈なのであれば
2日に1日湯シャン、からスタートしてみてくださいね。
お湯だけでも、汚れのほとんどは落ちます。
③洗髪方法
男性にありがちなのが、「頭皮ケア」と聞いて
張り切るあまり、ガシガシ!ゴシゴシ!とパワフルに頭を洗ってしまうことです。
歯磨きと同じで、頭皮の汚れは「力」で落とすのではなく
「細やかさ」で落としてくださいね。
毛の総数は約10万本です。
この、一本一本の毛穴のまわり360度にお湯やシャンプーを巡らせることを
イメージしてみてください。
どれだけ細かい動きが必要か、ご想像いただけましたでしょうか?
「すすぎ」も同様です。
頭皮チェックをしていると、結構な頻度で「すすぎ」不足が見受けられます。
シャンプーを使う場合には、細かく丁寧にすすいであげてください。
そして、男性には短髪の方が多いとは思いますが、自然乾燥はやめましょう。
雑菌が繁殖しやすくなり、かゆみやニオイの原因にもなりますので、
きちんとドライヤーを使って完全に乾かしましょう。
④紫外線対策
男性は、少々日焼けしている方がかっこいい、かもしれません(完全に私の好み)が
頭皮は日焼けさせないでください。
紫外線ダメージによって、頭皮の健康を損なってしまいます。
枯れた土壌から、元気な草が生えないのと同じイメージです。
「日傘男子」なんていう言葉を聞きましたが、なんて素晴らしいことでしょう!
特に、髪の短い男性の頭皮は、女性の頭皮よりも紫外線ダメージにさらされていますからね。
日傘はちょっと・・・という場合には、書類ケース等を持つふりをして、頭を日光から守りながら
外を歩くのはいかがでしょうか。
⑤睡眠
髪を育てる成長ホルモンは、1日に分泌される量の大半が「睡眠中」に分泌されます。
入眠直後の90分間が最も分泌されるといい、
その睡眠の質がとても大切です。
睡眠時間はできれば7時間程度が望ましいですが
これは無理、という方は、せめて4時間は眠るようにしてください。
そして、その質を高める必要がありますので、
体内リズムを整えるために
毎日規則正しく、同じ時間帯に眠るように努めてください。
睡眠時間が短く、バラバラ、というのは薄毛を招く睡眠習慣とも言えます。
⑥内側からのケア
そして、これら全てのケアの「前提」になるのがこれ。
体の内側からのケアです。
髪は体の一部であり、食べたものからできています。
むしろ、「食べたものからしか、できません。」
なので、いくら外側からのケアを頑張っても
必要な栄養がなければ髪は育ちません。
頭皮が毛髪の工場だとすると、
ベルトコンベアーが血流です。
ベルトコンベアーに「栄養」という「毛髪の原材料」が乗ってこなければ
工場の機械は毛髪の生産ができませんよね。
髪に必要な栄養素としては、
まずアミノ酸、その働きをサポートするビタミン類、ミネラル類が必要です。
つまり、何か特定の栄養素だけをガツンと摂るのではなく
幅広い栄養素を摂取することが大切です。
現代の食材には、もともと含まれる栄養素がとても少なくなっていますので
自炊であっても注意が必要です。
外食が多い場合や、「献立決定権限」がない場合には尚のこと、
是非サプリメントを使用してください。
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こうして列挙してみると
人工毛にチャレンジする前に、できることは山のようにありますね。
一つだけ覚悟していただきたいことは、
絶対に時間がかかるということです。
人工毛は、一瞬で悩みが解決しますが
自分の髪を復活させる、ということにはやはり時間がかかります。
早くても半年。早くても、です。
ダイエットと一緒で、即効性のあるものはありません。
ただ、最短距離はあります。
その基本となるものが、ここに列挙したケア方法です。
長い道のりになりますが、生え際のあたりに
短い新生毛を見つけたときの感動は、言葉では言い表せません。
それはフェイクでなく、ご自身の毛だからです。
さらに、髪が良くなっているということは
全身の細胞が良くなっている、ということでもあります。
地道ですが、その見返りはとても大きいですので。
是非、一緒に頑張りましょう。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。
くじけそうになったら、是非またコメントをください。
応援しています!