いつか設計から関わった家に住みたい。
というのはどこかでずっと思っていたことだけれど、
私の中でそれは、ずっと「マンション」だった。
東京で生まれて、幼少期に福岡で過ごしたことがある。
また東京に戻ってきてからはずっと東京。
そして、戸建てに住んだことはなかった。
戸建ての生活というのは、イメージが持てなかった。
東京の戸建てに住んでいる方のお宅にお邪魔したことはもちろんある。
こぢんまりした家から豪邸まで様々だけれど、
自分が住むということに関してはピンとこなかった。
ある時、知り合って20年くらい経つ友人が
軽井沢(正確には群馬県)に移住したと聞き、
ひょんなことから久しぶりに会いに行くことになった。
あの時の衝撃を今も忘れない。
東京からわずか1時間ちょっとで、
こんな暮らしがあるだなんてと心奪われてしまった。
自分が本当に暮らしたい暮らし方が、やっと分かったような気がした。
それからわずか9ヶ月後、
友人に電話で軽井沢への移住の相談をしていた。