語るのでした。
黒猫と、絵描きの出会いと生きる姿を
約束を果たそうと懸命に走り続けた物語を。
彼は、音を奏でながら、語るのでした。
泣いてしまうのでした。
黒猫と、絵描きが似ていたのだから
歩んできた軌跡が同じだったのだから。
彼は、見えない涙を、流してました。
そうして。
離れたのでした。
黒猫と、絵描きの別れの時のようには
寄り添って見つめあう二人のようには。
彼は、何も言わずに、行きました。
祈っているのです。
使命をもつ猫と、誰かを待っている人
果たされた時、愛を注いだ一人の人。
私は、耳を澄ましながら、祈っているのです。
