愛子：
りんは
車の免許
取りたいと思う？
りん：
取りたくない
愛子：
結婚したい？
りん：
したくない
昔はよく
車の免許を取る
結婚する
子どもを産む
と息子が
言っていたので
聞いてみた
そして
息子が
絵を描くときに
どんな絵を描くか
想像も
期待もせず
真っ新な
気持ちで
それを
待つように
息子の言葉を
待っていたら
息子はこう言い
これは
揺らぎない
本音で
直感だと
わかり
息子の本音が
聞けたことに
息子の絵を
見るときのように
ワクワクした
そして
わたしは
息子が
免許を取る取らない
結婚するしないは
どちらでも良いが
息子が
脳障害を負ったから
免許が取れない
結婚できない
ではなく
健常障害関係無く
自らの意思で
個性として
りんとして
それを
選んでいることに
胸がいっぱいに
なり
わたしは
息子に
りんを知れて
嬉しかったよ
と言った
そしてそれは
脳障害の
リハビリで
傷ついた
息子を
知りたかったように
絵を描く息子を
通じて
息子を
知ったように
わたしは
息子を
息子の言葉を
通じて
知りたかったのだと
わかり
泣いた