親友 ⒊ | ブログ.

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事実は小説よりも奇なり.
Truth is stranger than fiction.

息子りんの絵と猫と, 愛する人生と.
Rin’s arts,cats,and loved life.




























その利用者さんを訪問したのは
2回めだった






先回は
もう2、3ヶ月前になる






もともと
重症発達遅延で

車から転落した際に
脊椎損傷し

歩くことも
立つこともできなくなり

目を自分で猛打し
網膜剥離で全盲
耳も全く聞こえず






壁に囲まれた
2畳ない程の
何も置いていない部屋を
ゴロゴロと
ただ転がっている様子に

はじめて訪問したわたしは
戸惑った











訪問前に
体温、血圧を測ろうとしても
暴れだしたら
測定中止してよいこと

入浴中も
手足をバタバタさせるので
とにかく素早く洗い
終わらせること
など

いくつかの注意点をきいてから
訪問にむかった











状態としては
先回と全くかわっていない


訪問し
床に寝そべっている
その利用者さんの
肩に優しくふれ


「こんにちは」と
挨拶した






わたしと同じ歳の
その利用者さんから
言葉を聞くことは
ないのだが


なんとなく
わたしは

この人は
全てわかっている

と感じた







障害も
環境も

この先も

ご両親が
何もわかっていないことも
すべて




















そして
入浴の準備のため
体温、血圧を測りだしたのだが


まったく
動かず

じっと
しており

排便があり
キレイにするため
身体を動かし

「お風呂の前に
たくさん出てよかったね
さっぱりするね」

と声をかけながら
オムツを交換する時も
協力的だった











湯船につかると
彼は
目を閉じ

全く動かない

その様子に
いつも訪問しているヘルパーさんは
もちろん
ご両親も
驚いた











彼は
はじめて

安心し
暖かい
お風呂を
楽しんでいるようだった