利休の茶 -4ページ目

始末と只今

「お茶のお稽古をするとすっきりします。」とか

「ストレス解消になります。」とか耳にします。

確かにそのような爽快な効果があると思います。


点前は、一服のお茶を決まったやり方で点ててお客さまにおもてなし します。

その様子は、廻り道をしているように複雑に見えるかもわかりませんが

結局は、点前どうりに立てるほうが、始末が良いのです。


そうです!!


『始末』  この言葉がピッタリなのです!!



茶の湯はお客様の見て居られる前でお道具を運びでして準備をして

お茶を点てておもてなしをし

その後、茶碗を洗い

運び出したお道具を片付けて終わります。


始まりからお終いまでをその場のお客様と共有します。


つまり 『始末』・・・始めと終りがあるのです。

他のやり方で簡単にしようと思っても手間がかかって煩雑になってしまいます。


点前は複雑そうに見えますが最も合理的で美しい方法です。


そして最も合理的に完結するのでスッキリするのかな・・・

乱暴な解釈でしょうか。


それと、稽古を始めた頃はお点前中は『こうして、ああして』と今に集中します。

とにかく意識が集中します。

他の事を考えると間違ってしまいますので無心で『只今』に集中する事が出来るのです。


そして、終わると気持ちが解き放たれ達成感に満たされます。



お茶のお稽古は時に動作を伴う瞑想じゃないかと思います。


お辞儀.2

お辞儀は人と人との挨拶ですが、

茶の湯で唯一、お道具の中でお辞儀をする物は掛け物です。


茶会や茶事の主題とも言うべき中心のお道具が掛け物です。

軸又は幅と呼んだりもします。


禅僧の墨跡などが使われます。

『南方録』に「掛物ほど第一の道具はなし」という一文があります。


お辞儀をするのは、軸を書いた方を思って、

また掛け物の内容に敬う気持ちを込めてお辞儀をすると

私なりには思っております。


席入りの後、床へ言って膝前に扇子を置いてまず掛け物にお辞儀をし、

本旨を読んで表装も拝見し、またお辞儀をします。



素晴らしい仲間!!

明日はお稽古日です。

連休で抜けたので久ぶりに皆さんにお会いできます。


楽しみです!


お茶ではわたくしが皆さんよりも少し詳しいですが

他の点では、教えられることが沢山あります。

それぞれ素晴らしいキャリアの持ち主がお茶という共通項で結ばれて集うお稽古は最高です。


明日は皆さんにとっては半年ぶりの初風炉のお稽古です。

また、新しい発見があると素敵ですね!


テツ

我が家には「テツ」という柴犬がいます。


夜になると庭に放しているのですが、昨夜は脱走してしまいました!


脱走すると必ず家には戻らず、裏の神社の神主さん宅に帰ります。

今朝も、奥様に連れられて帰って来ました。

すまなそうにすごすご、帰ってくるテツをみるとおもしろい子だなぁ~と思います。


名前は「テツ」と強そうですが、豆柴で気も弱いし、足の指も3本しかなくて不自由そうです。

でも

テツが我が家に来た時のことを思うと、偶然じゃないんだなと思います。

またいつか、書いてみたいと思います。




お香

写真がボケています。

どうも携帯から載せるのはボケるみたいです・・・

デジカメだと処理をしないと載せられないので

新しい携帯の説明書をしっかり読んで頑張ってみます。


風炉になって変わるものにお香があります。

風炉では香木を使います。板香とも呼びます。


炉の間はいろいろな素材を混ぜて練りこんだ練香を使います。

練香は素材や分量の違いでさまざまな香ができますが板香は香木そのものの香りです。

したがって

シンプルでストレートです。


ふくよかで深みのある練香を寒い風炉の時期に


さわやかでシンプルな香木を風炉の季節にと使い分ける感覚が素晴らしいと思います。


茶道は五感を研ぎ澄まして臨むと、多くを気付くことができると思います。

わたくしもまだまだ入り口をウロウロしている感じです。

その分、ワクワクもしています!



風炉の灰

変わりました!

今日、5月6日は立夏です。

我が家も炉を閉じて風炉に変わります。

新緑の若葉も美しく、初風炉のお茶を皆さんで楽しみたいと思います。









いい天気!

今日はとてもよい天気です!

朝から家事を終えてさぁーこれから我が家の風炉の灰を押さえましょう!!


先日、知人から「夏はクーラーをかけながら、炭でお茶をするのですか?」とお尋ねを頂きました。

そうですよね。

茶道は非常に合理的にできているのにクーラーを入れながら火を焚くなんて不合理と言えば不合理だなぁ~と気付かせていただきました。

それに空調の音も静寂の中では気になりますね。

使わないで済むのなら使わずにいたいですが、やはり夏のクーラーはありがたいです。




本来は利休さんの言葉どうり「夏は涼しきように。」の工夫がされています。


例えば、釜をかける風炉ですが、初風炉の頃は道安風炉のような大ぶりの風炉を用います。

盛夏になると朝鮮風炉のように小ぶりで熱い空気が外に出ないよう火間も小さく風炉と釜がピッタリ合ったものを用います。



それに、夏の茶事は早朝6時頃から始める朝茶ですから暑くなる前の10時には終わっています。


朝茶の素晴らしさ、いつか書いてみたいと思います。



お茶事は大寄せのお茶会や稽古とは全く違った本来のお茶の世界です。

風炉の灰

以外と思われるかも知れませんが、

茶道において風炉の灰ほど手間をかけるモノは無いでしょう。


灰が???


そうです!! 


作り始めて10年はかかるといわれております。


言葉で伝えるにはあまりに長くなりますが


どれほど手間をかけるか、ひとつだけ紹介しますと


10年かけて作り上げた風炉の灰を

今度は乳鉢でするのです。

30分ほどかけてティースプーン一杯をするのです。


なぜそれほどまでに丹念に風炉の灰を作るのでしょうか?


そうする事がベストだからです。


風炉の炭がおこりやすいように一杯空気を含んだ美しい灰型に仕上げる為です。


お客様に最高の茶をお出しする為に心をこめて長い月日を費やして灰を作っているのです。








バランス

お点前をされていて体が傾く癖のある方が時々居られます。


特に習いはじめの頃は力が入ってしまい右肩がるように思います。


柄杓のお湯を釜に戻す時などよく見かけます。

集中してこぼさないように柄杓からお湯を注いで居られるからなのですが注意をしてもなかなか治らないのです。

でもその時、膝に置いている左手を意識していただくと傾きが治ることがあります。


右手にばかり集中しないで使わない左手に少し意識を持っていくとバランスが良くなるようです。

人の体って不思議ですね。