さて、引き続き銀行に受けのいい決算書に話をしましょう。
経営者や財務担当の方、今日は決算書をご用意されていますか?
資産・負債・資本の三つの箱のうち、今日は「資産」について少し話を
して見ます。
自己資本やお金を借りたりして、まず商品を仕入れたり、設備をしたり、
何に使っているかが、書かれているわけです。出来ているんです。
大切なのはそのバランスと中味といいました。売上の規模や収益率に
比べ、設備資金が多いと設備過多と見られるように、ひとつは大切な資金
を有効かつ適切な活用しているかということです。
「資産」の箱の中には、「流動資産」と「固定資産」「投資等」など大きな
項目に分かれているのが判りますよね。銀行が着目する点と内容を説明
したいと思います。
流動資産と固定資産に分ける基準は1年で資金が回収できる
どうかで分けられています。
「流動資産」は現金→預金→受取手形→売掛金などの順に並んでいます。
回収(現金化)の早いもの順番で、ほとんど1年以内に入ってくるお金
ですよね。
ただ、1年で入ってくるはずのものが、入ってこない場合が
ありますよね。ここまでだと財務諸表を説明するような本になってしまい
ます。
そこでここからが税務署提出のものから銀行がチェックをする訳です。
例えば、売掛金明細書の中に去年の決算書にも載っていた取引先がありま
せんか?(耳)「ないですか、それは良かった」
「えっ あるんですねか?」その中にもう倒産した会社とか、支払が大幅に
遅延して回収の見込みがないものとかありません。
銀行は倒産した会社、1年以上回収がない売掛金などの合計額を
売掛金の総残高から減らします。
当然資産が減るということは右にある「負債」と「資本(純資産)」
のどちらかから引くことになるわけです。
「負債」は仕入先に払うべきものや返済しなければならないものなので、引けません。
つまり「資本(純資産)」から引かれてゆくわけです。
決算書ですでにマイナスになっている場合を【債務超過】といいます。
そしてプラスだったとしても回収の見込みのないものなどを「資本(純資産)」の箱
から資産を減らした額を「資本(純資産)」から減額をしたらマイナスに
なった場合を【実質債務超過】などといいます。
売掛金の回収分受取手形で不渡りになった分も当然ながら、不渡分を受取手形
から減額します。
ですから努々、税務署提出の決算書で安心はなりませんぞ。
【実質債務超過】になっていないかを検証することが大事なことなのです。
次回は売掛金以下の資産勘定の銀行の見直し方を診てゆきたいと思います。