銀行受けのいい決算書の話をしましょう。


経営者や財務担当の方、決算書のご用意お願いします。



貸借対照表の話をしたいと思います。


左に資産そして右に負債・資本の三つの箱に


分かれています。


今日は「資産」について話ををして


見たいと思います。




「流動資産」は現金→預金→受取手形


→売掛金→製品→仕掛品などの順に並んでいます。


受取手形の中に、不渡手形は混入していませんか?


銀行は倒産情報などは事前に持っていますので、


明細書の振出人の名前を見ただけで判ってしまうことも


多々あるでしょう。


その他の残高に計上したりしても金額が大きければ、


その他の明細を要求されたり、○○工業の手形が

ないですね?などと


よほど上手に隠したりした積りでも銀行の情報力は

侮れないと思います。


ちょっと会話方式で書いて見たいと思います。



銀行担当(以下銀と略)


「○○工業との取引はなくなりましたか?」


社長(以下社と略)「ああ~最近あまりないな」



銀「売上が横這いなのに、受取手形の残高が増えていますね?」

 「支払サイトの延びた先とかありますか?」


社「そんなに増えてるかな?(しばし沈黙)特に記憶がないだけど」


銀「その他の受取手形の残高が特に増えています。」


  「○○工業は入ってないですね。」


  「○○工業は確か去年の暮れ倒産してますからね」

 

「とりあえずその他の明細と増えた理由を調べて教えて下さい」




銀行の外に出て、社長のひとり言

 

社長「全く痛いところをついてくるよ。」

  

  「お察しの通り○○工業の手形が入ってますよ~だ。」

  

  「知っているなら回りくどい言い方はめげるよな」



社長は結局、○○工業の手形の存在を認めたのです。


この金額がまた純資産(自己資本)を減らすのです。


また、前記まで明細書に手形の満期日が書いてあったものが、


突然なくなったりしたりするのも


余りうまい方法とは言えません。



棚卸資産回転率が高ければ、


一般的に不良在庫が発生する要素は


少ないと判断できますが、


製品・半製品・現材料などの残高が売上に比して、


多いと回転率は当然下がります。


もちろん業種に違ってきますが、


銀行はかなり細かく分類した業種別の


統計を持っています。



不良在庫は、銀行員がメーカーの工場に


いって見ても正直見た材料が不良在庫とか


見極められるまでの能力はありません。


しかし業種統計を大きく下回る年が何年も続くとか、


売上横這いなのに棚卸資産が急激増えたなどにより、


不良在庫の疑いを持ち出すのです。


スコアリングなどでも棚卸資産回転率は重視されます。


また不良在庫が多いと


流動比率が(流動資産÷流動負債)が高く出すぎる


なんてこともありますよね。





今回は受取手形と製品・仕掛品、などの棚卸資産に


着目して見ました。


次回は、短期貸付金や未収金などについて


説明したいと思います。



銀行が着目する点を知っているだけで


対策は立てやすいはずですよね。



飽きてきた方もいらっしゃるかも知れませんが、


頑張っていきましょう。


社長の仕事は、税務署提出の決算書で


”安心はなりませんぞ。”