審査を長く担当し、多くの決算書を見てくると、
貸借対照表と損益計算書を一通り眺めると
資産勘定の科目や負債勘定の科目とその金額で、
どこかおかしい、何か変だと直感的に思います。
そうすると必ずといって異常値が見つかるものです。
月末近くなると少し前までは稟議書が
山のように積まれます。
それをこなすには、決算書を瞬時で
判断することが必要になってきます。
「頭隠して、尻隠さず」ではないですが、
たとえば流動比率(流動資産÷流動負債)が
200%を超えている場合、
流動資産の中の異常値のある勘定科目を探し、
また損益決算書の利益率などと
見比べながら、在庫が増えていないか、
売掛金で回収が遅延しているものがないか、
企業の課題や問題点を探す訳です。
在庫回転率や売上と売掛金の対比などで
企業の実態がかなり見えてきます。
なかには「頭も尻も隠さず」
まさにノーガードのような(笑)決算書もあります。
会社の帳票が整理されていなかったり、
税理士さんもそんな会社に合わせてアバウト
なものを出してくる場合もあります。
でも現在のように機械的に決算書の内容で
融資方針が決まる時代には、不利に働く
ケースが多いと思います。
審査能力が最近下がってきたと言われますが、
一般論であって、
やはりどこにでもプロはいるものです。