決算書は税務署の見方と銀行の見方は違うということは、
お話したと思いますが、
中小企業の決算書は実態を基本的に表していないのです。
土地などは買った値段のまま計上され続けます。
買った時期によって、購入価格より現在の評価の方が高いケース、
低いケースが当然ありますよね。
特にバブル時期など買った不動産は相当評価にかい離がある
ケースも珍しくないと思います。
倒産したゴルフ場で永久に預託金が戻らないのに、
まだ結構決算書にどうどうと載っています。これもバブルの影響は
大きいですね。
土地の評価が下がること=資金調達能力も落ちるのと同意語です。
いまだ、担保至上主義から金融業界は抜け出せません。
実は不動産の評価は本当に難しいのです。不動産鑑定士さんが
評価しても、その金額で売れる保証はないのですから・・・
需要と供給、ニーズのマッチングの問題ですから、価値は想定
でしかないのです。
そこで、銀行は70%掛目で評価をして、評価のブレを見込んで
担保として見ているのです。
僕等も、お客さんに自分の所の担保評価を聞かれることが
ありました。なんとなく濁しながら「大体○○○○万円位ですかねぇ」と
ぼかしても、評価が低すぎると叱られることは結構ありましたね。
でも、進歩がないですね。確かに中小企業は恣意的とケアレスミスなどを
合わせると半分以上は何らかの粉飾があると、少なくとも金融機関は
考えているでしょう。
ですから、確かな不動産担保が一番好きなのです。
決算書を見て問題のない先には、無担保でも結構大胆に
貸出をします。
でも、業況や決算内容に問題や疑問があると、担保至上主義が
幅を利かせるのです。
一度、時価会計(現在の価値に全て治す)で、
自分の会社の決算書の貸借対照表を
作ることをお勧めします。