利究のブログ「経営のへそ」-砂漠の野牛

銀行員が「良く、本部の方の方針でとか、


審査部へ提出しましたが、


融資の承認が下りませんでした。」などと


担当者から否決の説明を受けたことがありませんか?


各店舗から上がってくる融資の稟議書


(融資の申請書をこんな呼び方をします。)

稟議書の中味を吟味して


融資の可否を最終的の決定する部署が「審査部」

という場所です。


それなりの経験と知識などのスキルの他に


店舗との交渉力などタフさが要求されます。

(一般論ですが)

店舗は業績を上げたいことや

お客さんとのお付き合いもあるので、

やや甘めの見方になるケースが少なからずあります。

店舗からの稟議書の全ては当然承認なる訳ではありません。


そして、稟議書の内容や融資先について営業店と比べ

もっとシビアな視点から見て疑問や追加書類などを

要求するのですから、


好かれる部署ではありません。

支店長決裁といって、店内でも融資担当や支店長で話し合い、

支店長の決裁範囲内のものは

審査部に上がってくることはありません。


この支店長決裁は金融機関の規模や担保の条件、


債務者区分などによって、かつてに比べれば大幅に

狭まっているのが現実でしょう。

ですから多くの稟議書は本部の審査部に上がってきます。

担当・支店長の能力や文章力や調査力によって、


正直、審査の結果によって差異が出ることは否めません。

ですから、いい担当者に当ることはかなりラッキーです。

そう多くないですから・・・(口に蓋)

本部の情報量と営業店の情報量はかなりの差異

があります。

たとえば償却引当率の計算や自己資本比率の計算の詳細や

金融庁からの通達なども、内容によっては

営業店に回さないこともあります。

また、金融庁の検査立会いは営業店は支店長や

法人営業部長などが数日ほど立ち会うだけで通常は

終ります。

本部審査部は、検査期間中最低でも3週間~2ヶ月程度は、

ほぼ毎日立会いまた、検査官から出される宿題に

対する回答を速やかに作成提出することも大事な仕事です。

もちろん本部の審査役も営業店の融資担当経験は、

積んでいて


尚、適性が認められて審査部に来ているのが

普通でしょう。

仕事の内容も、職務権限も営業店とは全く違うのです。

金融庁検査の実務経験したことや、銀行自身の融資方針の

コントロールをした経験は、


今は金融検査マニュアルという大きなルールがあるため、

他行の状況や考え方・出方もある程度想定

することが可能なのです。

「営業店と本部ではかなり違うということです。」

手前味噌になりますが、銀行や地域金融機関で

審査部の経験があるコンサルタントの知識や智恵を

聞くことが一番手っ取り早いと思います。

「必要な知識は簡単には身につきません。

ですから相談や知らないことを聞くこと、

うまく利用することが会社を守る方法だと思います。」